研修体制

プログラムの特徴

通常プログラムでは1-2年目は杏林大学医学部付属病院で基本的な研修を行い、3年目は7つの都内研修連携施設のいずれかにて研修することを原則とし、どのような治療場面においても対応ができる優れた臨床医を育成することを目標としています。多摩地区で唯一の大学病院本院であり、気分障害や統合失調症に加え、身体合併症や器質性・症状性精神障害などが多くの症例を経験することができます。また、修正型電気けいれん療法(m-ECT)やクロザピン治療を通常治療として用いており、難治性の気分障害(TRD)患者に対する包括的アプローチや、認知行動療法(CBT)や対人関係療法(IPT)などの精神療法、睡眠専門外来やポリソムノグラフィー(PSG)を目的とした入院を行う睡眠障害治療も特徴です。当施設において、専攻医の皆さんは、治療チームの一員として入院患者を受け持ち、指導医のもとで精神科医としての基本的なマインドとスキルを身につけていく体制となっています。特に研修当初はガイドラインに基づいた診療の手順を学び、治療計画の策定や薬物療法、m-ECTなどの治療選択が自ら可能となるように訓練していくと同時に、基盤となる治療関係の構築や、基本的な精神科面接の技法についても併せて学んでいくこととなります。外来においては初診トレーニングも行い、次年度の外来診療に向けた準備を行い、研修中盤には入院に加えて外来患者も主治医として受け持ち、外来診療の技術も磨いていきます。その際には常にスーパービジョンを受け、短時間で施行できる支持的精神療法から、構造化された認知行動療法(CBT)まで広く訓練を行うことができます。また研修中盤から研修最終年にかけて研修を行う連携施設においては、統合失調症や気分障害の患者はもちろん、認知症、アルコール使用障害などの多種多様な精神疾患患者が受診、入院しているため、精神保健福祉法における措置入院をはじめとした精神科救急や、精神科医療において重要な位置づけにあるソーシャルワークや実地医療の現場を経験し、さらに亜急性期から慢性期におけるリハビリテーション、社会復帰過程についても幅広く学ぶことができます。

プログラムの特徴

研修内容

杏林大学医学部付属病院での研修は、まずは病棟患者さん中心に研修を行っていきます。医師は2~3チームに分かれて診療に当たり、1チーム当たり10~15名の患者さんを受け持つことになります。チームの構成は指導医数名とレジデント数名、ローテート中の研修医となります。当院は開放病棟ですが、入院患者さんの疾患は幅広く、うつ病を中心とした気分障害、不安症、認知症、統合失調症、摂食障害、睡眠障害、てんかん、児童思春期疾患まで様々な疾患を経験することができます。レジデント、若手医師は精神科指導医の下、早期から積極的に診療に参加してもらう方針をとっています。入院時の本人家族への説明から、診断、治療、ケースワークに至るまで退院まで一貫して診療に関わってもらうことで、精神科特有の診療技術を学ぶことができると考えています。また、精神保健指定医や精神科専門医などの資格を取得するにも十分な体制が取られており、症例取得状況などは各レジデント毎に指導医が把握し、配慮をしています。

研修内容

また、外来診療においては、新患の陪席や診療への参加、またリエゾン診療への関わりなど適宜行っております。リエゾンについては、大学病院であることから、非常に多彩な経験を積むことができます。また、経験年数に応じて、外来の担当枠を受け持ってもらいます。

大学病院の豊富な人的、物的資源を活用して患者さんの診療を充実させるとともに、各種カンファレンスや抄読会で指導医、レジデント、研修医ともに精神神経科の広い分野にわたっての知識を新たにするように努めています。レジデントにとっては多人数の前で要 領よくプレゼンテーションを行う技術も養われる良い機会でもあります。また、学会発表なども経験できるようにサポートをしています。

また、大学院への入学、あるいは教室スタッフとして臨床医として勤務しながら学位取得や海外留学の道も開けています。

ケースカンファレンス

医師のみならず多職種(臨床心理士、看護師、ケースワーカー、薬剤師など)が、参加するケースカンファレンス。
担当医が受け持ちの患者さんをプレゼンテーションし、皆でディスカッションする。

専攻医の1日

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指導医からのメッセージ