研究業績


A. 腫瘍に関連した研究

1. Cell Searchシステムを用いた末梢血循環癌細胞検査の臨床応用

Cell Searchシステム(Veridex社)を用いて前立腺癌・膀胱癌の患者の末梢血循環癌細胞の検出を行い、病期および予後との関係を検討してきました。現在、末梢血循環癌細胞の遺伝子型を解析しています。また、テロメラーゼ活性陽性を利用して癌細胞を蛍光標識した解析も行っています。

近年の業績

 

  • Okegawa T, Nutahara K, Higashihara E. .Association of circulating tumor cells with tumor-related methylated DNA in peripheral blood of patients with hormone-refractory prostate cancer. Int J Urol: 17(5):466-75, 2010.
  • Okegawa T, Hayashi K, Hara H, Nutahara K, Higashihara E Immunomagnetic quantification of circulating tumor cells in patients with urothelial cancer. Int J Urol: 17(3):254-8, 2010.
  • Okegawa T, Nutahara K, Higashihara E. Prognostic Significance of Circulating Tumor Cells in Patients With Hormone Refractory Prostate Cancer. J Urol: 181(3):1091-1097, 2009.
  • Okegawa T, Nutahara K, Higashihara E. Immunomagnetic quantification of circulating tumors cells as a prognostic factor of PSA failure in hormone naive metastatic prostate cancer patients.J Urol:180(4):1342-1347, 2008.
  • 第49回日本癌治療学会総会(2011年):優秀演題賞『去勢抵抗性前立腺癌に対するドセタキセル療法での末梢循環癌細胞検査の意義』
  • 第47回日本癌治療学会総会(2009年):最優秀演題賞『進行性前立腺癌に対する化学療法の効果判定における末梢循環癌細胞の有用性』
  • 第46回日本癌治療学会総会(2008年):優秀演題賞『内分泌抵抗性骨転移前立腺癌における末梢循環癌細胞と血清DNA中の癌関連遺伝子メチル化との関連性』
  • 第45回日本癌治療学会総会(2007年):優秀演題賞 『進行性前立腺癌におけるCellSearch Systemの臨床応用』

2. 前立腺癌・膀胱癌におけるシグナル伝達研究

進行性前立腺癌の内分泌療法はLH-RHアゴニストとアンチアンドロゲン剤を併用するCombined Androgen Blockade(CAB)療法が標準的治療であり、開始時は80%以上の症例で奏効するが、数年後には約50%以上が初回内分泌療法に再燃すなわち内分泌不応性癌となります。内分泌不応性癌では、様々な細胞経路に依存しています。アンドロゲン受容体を介する経路として、Tyrosine Kinase受容体が関与していることが報告されています。その中でEGF 受容体の一つであるHuman epidermal growth factor receptor 2(HER-2/neu (HER-2))はアンドロゲン非存在下でもアンドロゲン受容体の活性化を誘導しています。HER-2のシグナル伝達はPI3K/Akt経路とMAPK経路に関与しています。我々は、進行性前立腺癌で内分泌療法前後の血清HER-2値、HER-2を標的にしたreal time RT-PCR法および免疫組織学的染色を行い、再燃への予測および分子標的治療への可能性を検討しています。

近年の業績

 

  • Tambo M, Higashihara E, Terado Y, Nutahara K, Okegawa T. Comparison of serum HER2/neu with immunohistochemical HER2/neu expression for the prediction of biochemical progression in metastatic prostate cancer. Int J Urol: 2009 16:369-374, 2009.
  • Okegawa T, Kinjo M, Nutahara K, Higashihara E. Pretreatment serum level of HER2/nue as a prognostic factor in metastatic prostate cancer patients about to undergo endocrine therapy. Int J Urol,13(9):1197-201, 2006

3. 泌尿器科癌におけるオーファン核内受容体の発現に関する研究

核内受容体とは細胞内タンパク質の一種であり、ホルモンなどが結合することで細胞核内でのDNA転写を調節する受容体です。発生、恒常性、代謝など、生命維持の根幹に係わる遺伝子転写に関与しています。核内受容体はリガンド(特定の受容体に特異的に結合する物質のこと)が結合すると、核内に移行しDNAに直接結合して転写を制御しています。核内受容体の中には内在性リガンドが明らかとなっていない(少なくとも、広く認められていない)ものも多く、そのような受容体をオーファン(孤児)受容体といいます。尿路・生殖器系腫瘍(腎癌,膀胱癌)におけるオーファン核内受容体の関係を検討しています。2011年度より解析を報告する予定です。


4. 尿路・生殖器系腫瘍におけるアデノウイルスレセプターを用いた遺伝子治療の開発

アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療を行う場合に、標的細胞におけるCoxsackie and adenovirus receptor (CAR)の発現検査によって、細胞毒性と免疫反応が予測でき、より安全に遺伝子治療ができる可能性があると考えられます。我々は、尿路・生殖器系腫瘍細胞株(腎癌・膀胱癌・前立腺癌)と臨床検体でのCAR発現を検討し報告してきました。最近、histone deacetylase inhibitors (HDI)より標的細胞におけるCARの発現量が増加し、感染効率に影響していることがわかり、HDIであるFK228と尿路・生殖器系腫瘍細胞株のCAR発現量の関係を検討し、臨床応用できるよう研究中です。遺伝子治療の開発は米国のテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター泌尿器科との共同研究です。

近年の業績

  • Okegawa T, Sayne JR, Nutahara K, Pong RC, Saboorian H, Kabbani W, Higashihara E, Hsieh JT. A histone deacetylase inhibiter enhances adenoviral infection of renal cancer cells. J Urol, 177, 1148-1155, 2007
  • Okegawa T, Pong RC, Li Y, Hsieh JT. Enhanced transgene expression in urothelial cancer gene therapy with histone deacetylase inhibiter. J Urol 174, 747-752, 2005.
  • Okegawa T, Pong RC, Li Y, Hsieh JT. The role of cell adhesion molecule in cancer progression and its application in cancer therapy. Acta Biochim Pol. 2004;51(2):445-57.
  • Pong RC, Lai YJ, Chen H, Okegawa T, Frenkel E, Sagalowsky A, Hsieh JT. Epigenetic regulation of coxsackie and adenovirus receptor (CAR) gene promoter in urogenital cancer cells. Cancer Res. 2003 15;63(24):8680-6.

5. 前立腺癌転移巣および局所再発巣に対する臓器特異性オステオカルシンプロモーターを組み込んだアデノウイルスベクターおよびバラシクロビルを用いた遺伝子治療臨床研究

内分泌抵抗性前立腺癌の骨転移、リンパ節転移および局所転移に対し、自殺遺伝子として、単純ヘルペスウイルスのチミヂンキナーゼ遺伝子を、臓器特異性オステオカルシン‐プロモーターにより制御発現させるアデノウイルスベクターを単独で癌転移巣又は局所再発巣に局所内投与し、その後バラシクロビルを経口投与し、癌治療を行います。この臨床研究は兵庫医科大学、昭和大学、九州大学との共同臨床研究です。

近年の業績

  • Terao S, Shirakawa T, Acharya B, Miyata M, Hinata N, Tanaka K, Takenaka A, Hara I, Naoe M, Fuji K, Okegawa T, Higashihara E, Kamidono S, Fujisawa M, Gotoh A. A pilot study of quality of life of patients with hormone-refractory prostate cancer after gene therapy.Anticancer Res. 2009 May;29(5):1533-7.
  • Shirakawa T, Terao S, Hinata N, Tanaka K, Takenaka A, Hara I, Sugimura K, Matsuo M, Hamada K, Fuji K, Okegawa T, Higashihara E, Gardner TA, Kao C, Chung LWK, Kamidono S, Fujisawa M, Gotoh A. Long-Term Outcome of Phase I/II Clinical Trial of Ad-OC-TK/VAL Gene Therapy for Hormone-Refractory Metastatic Prostate Cancer. Human Gene Therapy, 18(12): 1225-1232, 2007.

6. 膀胱癌の分裂促進因子活性化蛋白質キナーゼ(MAPK)の網羅的解析と阻害物質を用いた臨床治療への応用

分裂促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼは、細胞外からの種々の刺激によって活性化され、細胞表面から核へと向かうシグナル伝達を媒介します。なかでもERK-1/ERK2 MAPキナーゼのカスケードはEGF、FGFなどの成長因子によりチロシンキナーゼ型受容体が活性化され、Rasを活性化させ、さらにこの活性化RasはRafに直接結合し、一時的な膜固着シグナルを生じさせます。活性型Rafキナーゼは、MEKをリン酸化し、これが核内へと移行し、ETSファミリーの転写因子であるElk-1をリン酸化します.これにより、転写因子が活性化し細胞増殖をきたすと考えられています。現在、当科では悪性度の高い膀胱癌でのElk-1発現を確認しており、膀胱癌におけるMAPK経路の網羅的な解析をおこなっております。


7. 前立腺癌骨転移に伴う骨関連事象(skeletal-related events: SRE)について

多摩前立腺骨転移研究会にて内分泌感受性前立腺癌骨転移症例と内分泌抵抗性前立腺癌骨転移症例でZoledronic acid 投与におけるSRE( skeletal related event)、BPI (Brief Pain Inventory)、CTIBL (Cancer treatment Induce Bone Loss), NTXを比較検討しています。 2007年5月より多摩前立腺癌骨転移研究会ができ共同研究が始まりました。2010年第98回泌尿器科学会総会、第48回癌治療学会で報告いたしました。2011年は投稿を予定しております。

近年の業績

 

  • 桶川隆嗣, 村田明宏, 朝岡博, 檜垣昌夫, 加瀬浩史, 野田治久, 押正也, 野田賢治郎, 松本哲夫、東原英二: 前立腺癌骨転移におけるゾレドロン酸使用成績-多摩前立腺癌骨転移研究会- 泌尿器科外科4(8):1315-1318, 2011.

8. 前立腺癌に対する治療について

進行性前立腺癌に対して内分泌治療を通常行いますが、内分泌治療抵抗性(再燃)となった場合に今まで使用していた抗アンドロゲン剤を別の種類の抗アンドロゲン剤に交替する(交替療法)ことにより、治療効果が得られることが知られております。抗アンドロゲン交替療法の有用性について検討しています。また、局所進展前立腺癌に対する内分泌単独治療と内分泌併用放射線治療の治療成績の比較検討も行っております。さらに、魚油の一種であるEPAにおける前立腺全摘除術後の生化学的再発への効果についても検討しました。

近年の業績

 

  • Higashihara E, Itomura M, Terachi T, Matsuda T, Kawakita M, Kameyama S, Fuse H, Chiba Y, Hamazaki T, Okegawa T, Tokunaga M, Murota T, Kawa G, Furuya Y, Akashi T, Hamazaki K, Takada H:Effects of eicosapentaenoic acid on biochemical failure after radical prostatectomy for prostate cancer. In Vivo. 24(4):561-5, 2010.
  • Okegawa T., Nutahara K., Higashihara E. Alternative antiandrogen therapy in patients with castration-resistant prostate cancer: A single center experience. Int J Urol. 17: 950-955, 2010.
  • 桶川隆嗣,戸成綾子,藤田直之,榎本香織,林建二郎,板谷直,原秀彦,多武保光宏,宍戸俊英,高山誠,奴田原紀久雄,東原英二:当院におけるStage C前立腺癌に対する内分泌単独療法と内分泌併用放射線療法の治療成績.泌尿器外科 23(8):1101-1103,2010. 桶川隆嗣:再燃前立腺癌に対する抗アンドロゲン剤交替療法の有用性.泌尿器外科 21(8):1079-1083,2008.

9. 進行性腎癌に対する分子標的療法

転移性腎癌の治療薬として厚生労働省で認可された分子標的薬には血管新生阻害薬であるソラフェニブ、スニチニブとmTOR阻害薬のエベロリムス、テムスロリムスであり、無増悪生存期間(PFS)の延長が期待できます。さらに今後治療薬が増えることより高い有効性を得るために併用療法やシーケンシャル療法など他薬との組み合わせによる治療法が検討されています。ファーストラインで用いた場合の治療のアウトカムとファーストライン不応性にセカンドラインを用いた場合の治療アウトカムとの関連性、また予後予測因子・効果予測因子としてのゲノミックマーカーについて検討しています。


B. 腹腔鏡手術に関連した研究

1. 尿路・生殖器系腫瘍における腹腔鏡下手術と開放手術の比較検討

副腎腫瘍・腎腫瘍・腎盂尿管腫瘍の標準術式となりつつある腹腔鏡下手術について、安全性、治療成績(開放手術の比較)、患者のQuality of Life(QOL)を検討しています。 また・前立腺腫瘍においては積極的に神経温存手術を行っています。

近年の業績

 

  • Okegawa T, Nutahara K, Higashihara E. Comparison of laparoscopic and open adrenalectomy for adrenal pheochromocytoma in a single center. Asian Journal of Endoscopic Surgery. 3(3):145-149, 2010.
  • Okegawa T, Noda H, Horie S, Nutahara K, Higashihara E. Comparison of transperitoneal and retroperitoneal laparoscopic nephrectomy for renal cell carcinoma: a single-center experience of 100 cases. Int J Urol. 15(11):957-60, 2008.
  • Okegawa T, Odagane A, Noda H, Nutahara K, Higashihara E. Laparoscopic management of urachal remnants in adulthood. Int J Urol, 13, 1466-1469, 2007.
  • Okegawa T, Odagane A, Ide H, Horie S, Nutahara K, Higashihara E. Oncological outcome of retroperitoneoscopic nephroureterectomy for upper urinary tract transitional cell carcinoma. Int J Urol,13(5):493-7, 2006.

2. 泌尿器単孔式腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は開腹手術より切開創が小さく、術後回復が早いため患者さんの負担の少ない手術方法として泌尿器科領域では1990年代以降普及しました。近年では、さらに1つの切開創だけで行われる単孔式腹腔鏡手術が腹部外科領域を中心に行われています。今後、泌尿器科領域でも副腎、腎,前立腺疾患に対してこの単孔式腹腔鏡手術が施行されていくと考えられます。当科では2010年より腎腫瘍・腎盂尿管腫瘍において単孔式腹腔鏡手術を行っております。2010年度は25症例を行いました。術中・後の合併症は認めておりません。

近年の業績

 

  • 桶川隆嗣(共著): 単孔式内視鏡手術テキスト, 南江堂、2011(in press)

3. 腎盂尿管移行部狭窄における腹腔鏡下手術での長期成績

腹腔鏡下腎盂形成術は低侵襲性で開腹手術に匹敵する治療効果が得られた優れた術式です。長期成績について当院では利尿レノグラムを用いて判定しています。中・長期成績に関して2011年度から報告予定です。


C. 多発性嚢胞腎に関連した研究

多発性嚢胞腎では高血圧を合併することがよく知られています。この高血圧は腎機能が悪化する以前から見られ、腎機能悪化のスピードを増加することも知られています。従来多発性嚢胞腎の高血圧治療に様々な降圧剤が使用されていましたが、アンジオテンシンII受容体阻害薬がカルシウム拮抗薬より腎機能悪化の程度が少ないことを見いだしました。これにより現在では多発性嚢胞腎に合併した高血圧では、アンジオテンシンII受容体阻害薬が第一選択の降圧剤となっています。 また嚢胞の増大を抑制することが高血圧発症と腎機能悪化を抑えることが知られています。厚生労働省の班研究の一環として、魚油の一種であるEPAの嚢胞増大阻止効果について検討しました。又、飲水が多発性嚢胞腎の増大を抑制できるのかという臨床研究に取り組んでいます。

近年の業績

 

  • Higashihara E, Torres VE, Chapman AB, Grantham JJ, Bae K, Watnick TJ, Horie S, Nutahara K, Ouyang J, Krasa HB, Czerwiec FS Tolvaptan in autosomal dominant polycystic kidney disease: three years’ experience. Clin J Am Soc Nephrol. 6(10):2499-507, 2011.
  • Vicente E. Torres, Esther Meijer, Kyongtae T. Bae, Arlene B. Chapman, Olivier Devuyst, Ron T. Gansevoort, Jared J. Grantham, Eiji Higashihara, Ronald D. Perrone, Holly B. Krasa, John J. Ouyang,and Frank S. Czerwiec. Rational and design of the TEMPO (Tolvaptan efficacy and safety in management of autosomal dominant polycystic kidney disease and its outcomes) 3- 4 study. Am J Kidney Dis. 57(5): 692- 699, 2011.
  • Higashihara E., Nutahara K., Horie S. et al. The effect of eicosapentaenoic acid on renal function and volume in patients with ADPKD. Nephrol Dial Transplant. 23(9): 2847-2852, 2008
  • Nutahara K, Higashihara E, Horie S, et al, Calcium channel blocker versus angiotensin II receptor blocker in autosomal dominant polycystic kidney disease. Nephron Clin Pract. 2005; 99: c18-c23.
  • 東原英二他. 常染色体優性多発性嚢胞腎診療ガイドライン(第2版). 多発性嚢胞腎の全て 東原英二監修. pp.294-314, インターメディカ, 東京, 2006年

D. 前立腺肥大症に関連した研究

1. 前立腺肥大症における低侵襲治療(ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)

ホルミウムレーザー前立腺蒸散術(HoLAP))は前立腺肥大症に対し、低浸襲性治療として経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)、経尿道的ホルミウムレーザー前立腺蒸散術(HoLAP)を行っております。従来の経尿道的前立腺切除術(TUR-P)にくらべ、出血が少なく、低ナトリウム血症等の合併症も低いのが特徴です。入院期間もTUR-Pの約半分の日数(4~5日)となっております。TUR-Pとの治療成績の比較検討を行うとともに、手術手技の改良を重ねております。

近年の業績

 

  • 宍戸俊英,榎本香織,藤田直之,鈴木敦,林建二郎,野村昌史,板谷直,多武保光宏,渡辺和吉,野田治久,桶川隆嗣,奴田原紀久雄,東原英二:初期治療経験に基づくホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)とTUR-Pの比較検討.日本泌尿器科学会雑誌 99(3):543-550,2008.

2. α1遮断薬と睡眠障害との関係.

前立腺肥大症の排尿症状やQOLを把握するスコアとして国際前立腺症状スコア(IPSS)、QOL indexが広く用いられているが、これらのスコアに加え、キング健康調査票(KHQ)やピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いてα1遮断薬の効果を検討しています。

近年の業績

 

  • 鈴木敦,桶川隆嗣,榎本香織,藤田直之,林建二郎,板谷直,多武保光宏,金城真実,渡辺和吉,野田治久,村田明弘,宍戸俊英,奴田原紀久雄,東原英二:キング健康調査票を用いた前立腺肥大症患者に対するナフトピジルの臨床効果の検討.泌尿器外科 23(1):33-38,2010.
  • 榎本香織,桶川隆嗣,藤田直之,鈴木敦,林建二郎,板谷直,多武保光宏,野田治久,渡辺和吉,村田明弘,宍戸俊英,奴田原紀久雄,東原英二:前立腺肥大症におけるタムスロシン塩酸塩の睡眠障害改善効果.泌尿器外科 23(4):567-573,2010.

E. 尿路結石に関連した研究

上部尿路結石の診療ガイドラインが2002年に発刊されていますが、診断と初期治療について、実際の診療と乖離がないか他施設で共同研究を行っています。その結果初期診断としては腹部単純X線撮影と超音波検査の同時施行が診断率を向上させること、またCT単純撮影が最良の診断率をあげられることが明らかになりました。また、上部尿路結石の排石に関してα遮断薬が有効か否かの前向き研究中です。この臨床研究は昭和大学、亀田総合病院との共同臨床研究です。

近年の業績

 

  • Valdivia JG, Scarpa RM, Duvdevani M, Gross AJ, Nadler RB, Nutahara K, de la Rosette On Behalf Of The Croes Pcnl Study Group JJ. Supine versus prone position during percutaneous nephrolithotomy: a report from the clinical research office of the endourological society percutaneous nephrolithotomy global study. J Endourol. 25(10):1619-25, 2011.
  • 奴田原紀久雄,東原英二,上山裕1,栗原浩司1,堀江重郎1(1帝京大・医・泌尿器科):ホルミウムレーザー砕石装置Odyssey 30を用いた尿路結石の治療成績. Jpn J Endourol ESWL 21(2):203-208,2008.

F. 間質性膀胱炎に関連した研究

 間質性膀胱炎は頻尿、膀胱部痛を主症状とした疾患で、比較的初期の段階では診断が難しく、見逃されがちな疾患の1つです。当科では、専用の質問票を用いて詳細な問診を行い、早期診断に心がけております。間質性膀胱炎を否定できない場合、短期入院(3~4日)の上、膀胱水圧拡張術を行い、膀胱粘膜からの点状出血を確認し診断しております。なお、この水圧拡張術は、多くの場合治療にもなり、一時的ではありますが、症状の改善が計れることが多いです。症状が再燃した場合、種々の内服治療をおこなっております。現在、免疫抑制剤を用いた治療や、安全性の高いボツリヌス毒素を用いた治療を検討しております。

 

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