腎盂腎炎の説明
腎盂腎炎の症状
腎盂腎炎の診断方法
腎盂腎炎の治療方法

腎盂腎炎(Pyelonephritis)

腎盂腎炎の説明と部位

腎盂腎炎は腎実質および腎盂・腎杯と呼ばれる腎臓内の空間の感染症から起こる炎症のことです。腎盂腎炎は急性腎盂腎炎と慢性腎盂腎炎に分類されます。

 

● 急性腎盂腎炎
急性腎盂腎炎は悪寒、発熱、腰や背中の痛みで急激に症状があらわれます。尿中の白血球が増え、尿中細菌数が1mlあたり10万個を超えます。悪寒、発熱、腰背部痛、側腹部痛に加え膀胱炎の症状がみられ、肋骨脊椎角部叩打痛を伴います。発症経路は上行性感染(尿道・膀胱から細菌が移動する)では腸管、尿道、腟からのグラム陰性桿菌による膀胱炎に続き起こることが多いです。また、複雑性感染症では、小児では先天性膀胱尿管逆流症※が多く、高齢者では糖尿病、前立腺肥大症、尿路結石、骨盤手術後などの排尿障害が原因と見られる場合が多いです。男性に比べて女性に多く発症します。

 

● 慢性腎盂腎炎
慢性腎盂腎炎は腎盂、腎杯、腎間質、尿細管を主な病変とする慢性的な細菌感染症です。持続的な炎症により腎実質の萎縮や組織構築の破壊が見られることが多いです。ほとんどが複雑性尿路感染症であり、基礎疾患の治療がもっとも重要な治療方法です。炎症の原因となる菌ははっきりしないこともあります。急性腎盂 腎炎で紹介した先天性尿路異常である膀胱尿管逆流症※では、小児期から腎盂腎炎を繰り返すことにより慢性化することがあります。また、腎盂尿管移行部狭窄症も基礎疾患となることがあります。

 

 

図:腎臓とその周辺の臓器

※小児の先天性膀胱尿管逆流症について
・膀胱尿管逆流症とは膀胱内に尿が充満した時、あるいは排尿時に尿管、腎盂さらには腎実質内に逆流する疾患です。
・日本の小児の約0.2~1%に認められるといわれています。
・症状としては、尿路感染症状を示します。また高熱や側腹部痛によって発見されることもあります。
・診断としては排尿時尿路造影(造影剤を膀胱内に注入し、排尿を行うと造影剤が尿管の方へ逆流するのが認められます。)という検査が最も重要な検査の一つです。その他に超音波や点滴静注性腎盂造影を行うこともあります。
・治療は小児の疾患のため、自然経過にて改善あるいは消失する例もあるため、厳重な経過観察(少量の抗生物質投与や、排尿は我慢せず早めに行う習慣をつける、等)をしていき、患者の方の年齢、逆流の程度、尿路感染の頻度、程度を総合的に判断し、手術療法の適応があれば、逆流防止術を行います。

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◆ 関連項目
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背中や腰が痛い
尿に血液が混じる
尿が濁る
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尿路感染症・説明

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