前立腺肥大症の説明
前立腺肥大症の症状
前立腺肥大症の診断方法
前立腺肥大症の治療方法

前立腺肥大症(Benign Prostatic Hyperplasia)

前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症の治療方法は大きく内服治療と手術療法に分かれます。前立腺肥大症はQOL(生活の質)疾患といわれており、まず患者のQOLを重視し、アルファ拮抗剤、抗男性ホルモン剤などの内服治療をおこない、効果が乏しい場合、患者様の希望に応じて種々の手術療法を施行していきます。

 

内服治療(薬物療法)
生薬系薬剤
前立腺部尿道粘膜の浮腫や炎症を抑制し、刺激症状が緩和します。排尿状態は他の薬剤ほど改善しませんが副作用はほとんどありません。単独投与で効果が期待できるのは第1病期(刺激期)までです。

 

アルファ交感神経遮断剤(α1ブロッカー)
前立腺平滑筋の緊張(機能的閉塞)を解除することにより、尿道抵抗の低下がみられます。これにより排尿状態が改善され、尿の勢いがよくなり、残尿量が減少します。副作用として目まい、立ち上がったときに立ちくらみが起こること(起立性低血圧)がまれにみられます。日常の診療でよく使用される薬剤です。

 

抗男性ホルモン剤(アンチアンドロゲン剤)
男性ホルモンをブロックし、前立腺肥大症腫を縮小させて(ただし縮小率は30%以下)尿道抵抗を低下させます。これにより排尿状態が改善しますが、前立腺癌の腫瘍マーカーも低下させるため、前立腺癌の診断が困難になることがあります。前立腺癌の治療にも使用されます。


これらの薬剤を併用することで治療効果を上げることができますが、限界があります。

 

手術療法

経尿道的レーザー前立腺核出手術(HoLEP)
当院における前立腺肥大症に対する手術療法の中で、最近主流となっている方法です。経尿道的にレーザーを照射し、前立腺の内側(内腺)を核出します(くりぬきます)。HoLEPの特徴は内腺を完全に除去できることと、出血量が少なく短期間の入院(4~5日間)でできることです。前立腺の内腺を核出することで、一過性に尿失禁を認めることがありますが、大多数は著明に排尿障害が改善されます。麻酔は腰椎麻酔(下半身麻酔)で行います。前立腺が非常に大きい患者様には、あらかじめ患者本人の血液を貯血しておき、手術時に返血する自己血輸血を行っています。

 

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経尿道的前立腺切除術(TUR-P)
前立腺肥大症に対する従来の手術方法で、最近では何らかの理由でHoLEPの施行が困難な場合に行っています。内視鏡下にループ状の切除刀をもちいて前立腺の内側(内腺)を電気切除します。重篤な合併症は1%程ですが、70-80%に逆行性射精(射精時に精液が尿道から出ずに、膀胱にたまってしまう状態)がみられます。出血量が多い場合輸血が必要となることが稀にあるため、あらかじめ患者本人の血液を貯血しておき、手術時に返血する自己血輸血を行っています。麻酔は腰椎麻酔(下半身麻酔)で、入院期間は1週間から10日位です。


尿道ステント
尿道ステント留置は、尿道から前立腺部尿道に特殊合金で作られた筒状の支持物(ステント)を挿入、留置することで、前立腺肥大により閉塞した尿道を広げる治療です。低侵襲の治療ですがTUR-Pほどの排尿状態の改善は期待できません。また、ステントの位置のズレによるトラブルを生じることもありますので、薬物療法の効果が少なく合併症により手術が施行困難な場合に適応となります。

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◆ 関連項目
症状でしらべる
オシッコが近い
オシッコが出にくい
尿が漏れる
当科の術式・治療法
高密度焦点式高エネルギー超音波療法(HIFU)
ILCP(前立腺組織内レーザー凝固)

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