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杏林大学で存分に学んでほしい

本日の入学式に当たり、学長としてご挨拶を申し上げます。
入学式を迎えられた皆さん、本当におめでとうございます。
杏林大学は皆さんを心より歓迎致します。
特に留学生の皆さん、よくいらっしゃいました。

皆さんは杏林大学の由来をご存知でしょうか。
「杏林」、中国語で「シンリン」は、中国に伝わる故事に由来しています。昔、中国の廬山という所に董奉(とうほう)という医師がいました。彼は貧しい人からは診療費を取らず、その代わりに病気が治った人には、記念として杏の苗を植えてもらいました。
それを続けた結果、杏の木が茂る大きな林ができたといわれています。この故事から「シンリン」は、良医を意味することになりました。
杏林大学は1970年に医学部が、その後、保健学部、総合政策学部、外国語学部が相次いで開設され、その間に医学研究科、保健学研究科、国際協力研究科の3つの研究科と医学部付属看護専門学校が併設されました。

杏林大学に限らず、各大学には建学の精神というものがあります。どういうものを目指してその大学は教育を行っていくのかというものがその建学の精神に表れています。
杏林大学は、松田進勇先生が開設された大学です。松田先生のもとに創られた建学の精神が真・善・美の探究です。真・善・美を探し求め究めることが真・善・美の探究であります。これも由来は中国の言葉です。
真は真実、真理を究めるための学問をすることで、真実・真理に対しては謙虚であるとともに自らが学んで研究することを意味します。善は倫理観を持った善き人間性、人格を形成することです。他人に対して優しく、思いやりを持った心を自ら築き上げて、人の為に尽くすというものが善です。
美はどういうものでしょう。他人を尊重し、自らの身を持するのに厳しく、美しいものは美しいと感じる心そういう感性を磨くこと、これが美であります。
すなわち真・善・美の探究を通じて、優れた人格を持ち人の為に尽くすことができるということです。
本学では、国際的な人材を育成するという大きな目的があり、この理念を実現させるために今まで色々なことに取り組んできました。それが評価されて、文部科学省の様々なプロジェクトに採択されています。2年前には国際的な人材を育成するための「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」、昨年は地域におけるアカデミアの活用を目指す「地(知)の拠点整備事業」、本年は、「大学教育再生加速プログラム」に採択されています。いずれも全国からたくさんの大学が応募しましたが、その中から本学が選ばれたということは、今までの実績が高く評価されているからだと思います。
本学が目指す”staying local”、”moving global”が国の事業として認められといっても良いと思います。
八王子キャンパスには、国際交流プラザに英語サロンや中国語サロンがあるほか、英語放送、中国語放送が常時視聴できる施設、中国語の通訳に関連する施設などがあります。新入生の皆さんもぜひこれを活用して下さい。そして十分に学んで頂きたいと思います。

本学は2016年に創立50周年を迎えます。これに伴う大きな事業として、この八王子キャンパスの学部、大学院を井の頭キャンパスに移転することを決めています。井の頭キャンパスは、医学部と保健学部看護学科などがある三鷹キャンパスと極めて近いところに開設します。新入生の皆さんは在学中に八王子から井の頭キャンパスに移らなくてはならないため大変なご迷惑をおかけするということになります。しかし、移転する先は吉祥寺駅・三鷹駅からも近く、交通の便は良くなります。
また、君たちが保健学部、医学部生と交流するなど学部間の交流もより容易になると思います。これによって我々の目指す真・善・美の探究つまり全人的な教育に向かって、新しい一歩を踏み出すことが可能となると思います。
新入生の皆さんは、健康に気を付けて存分に学んで下さい。私共、教職員はあなた方を心より歓迎致します。
以上で私の挨拶と致します。


平成26年9月入学式 学長式辞より
2014.10.15