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1月9日に第12回グローバルセミナー「変貌するアジアにおける日本の役割」を開催

 1月9日(金)、第12回グローバルセミナーが開催され、本学学生および教職員から特定の学部に限らず多くの参加がありました。
 今回のセミナーは「The role of Japan in changing Asia—変貌するアジアにおける日本の役割—」と題し、Inter Press ServiceやUniversity World Newsの特派員として活躍されているスリランカ出身のジャーナリスト、スヴェンドリニ・角地氏を講師としてお迎えしました。

 英語による講演の冒頭、約70億人の世界人口うち、そのおよそ六割にあたる約40億の人口があり、且つ、豊かさと貧困が混在するといった広大で多様性に富んだ地域がアジアであるということをまずは認識すべきとの説明がありました。日本が目指すべきアジアとの関係を探るため、満洲事変・大東亜共栄圏・太平洋戦争敗戦といった歴史的背景をはじめ、マレーシアのマハティール前首相が提唱したLook East政策(欧米ではなくマレーシアの東方に位置する日本に学べという意味)といったような政治的要素、アジアで産出される原材料の最大輸入国であり且つアジアに対する最大の投資国であったという経済的要素、東南アジアにおいて好感度が高い対日感情を示したBBC(英国放送協会)実施の世論調査結果などを示しながら、角地氏は日本とアジアをめぐる理解を深めることが重要であると述べました。

 また、今なぜ、アジアで日本の存在感が低下しているのかを分析すると、「日本の首相は外国訪問で関係強化に向けた力強いスピーチするが、帰国するとすぐに辞任する」と揶揄される政治的な不安定、ODA(政府開発援助およびFDI(外国直接投資)の減少、海外援助を拡大する中国の台頭がこの停滞の主な要因である一方、同時にアジアに起きている重要な変化、例えば、アジアで拡大する中間所得層に狙いを絞ることによって市場を席巻する韓国製品に象徴される韓国の影響、中国に迫る人口を有するインドの台頭、ナショナリズムや政治と結びつくイスラーム教原理主義や仏教原理主義があることを紹介しました。

 そして、少子高齢化が進む日本がアジアとの21世紀における関係で求められる役割やそれに向けた方策として、①技術移転、②インドとの関係強化、③各分野におけるパートナーシップ拡大、④融和的な外交政策と軍事政策、⑤国内の労働・製品市場の開放、⑥米国との安定した協力関係、⑦中国との友好的な関係の発展があると語ったほか、是非、日本の若者にアジアをみて欲しいと訴えました。

 講演に参加した学生からは、日本が今後アジアや世界と関わっていく上で大切なことが分かったなどの感想が寄せられました。

2015.01.16
国際交流課