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■□■杏林大学医学図書館ニュース■□■   第69号 2018.2.1 配信

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□Contents□
■ご挨拶■ 
■図書館からのお知らせ■ 
■お勧め図書■ 
■図書館員のひとりごと■ 
■編集後記■ 

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■ご挨拶■
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この時期のご挨拶では定番の「まだまだ寒い日が続き・・・」という言葉をやっぱり使い
たくなってしまう、そんな厳しい寒さの日々ですね。
1月は雪の影響で閉館時間が変更となった日がありましたが、今月はそんな日がないこと
を願っています。
図書館は試験期が過ぎ、2月になるとぐっと利用者が減ります。
暖かで静かな図書館でお気に入りの席をみつけて春が来るのを待ちませんか。

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■図書館からのお知らせ■ 
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2月5日(月)から学生対象の春休み長期貸出が始まります。
対象は図書のみで、返却期限は4月6日(金)です。
貸出中の資料も返却期限が切れていない場合は、更新手続きをすれば長期貸出の対象とな
ります。
ただし他に予約者がいないこと、1度も更新をしていないことが条件になりますのでご注
意ください。
※卒業予定の方は2月28日(水)が期限になります。

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■お勧め図書■
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『死にゆく患者 (ひと) と、どう話すか / 國頭英夫著. -- 医学書院, 2016.』
(請求記号 : W85:Sh62 / 資料ID : 0010361566)

本学の客員教授でもある國頭先生が日本赤十字看護大学の1年生へ行ったゼミの講義録。
進行がんの専門医である先生が行う講義のテーマは、「死を前にした患者さんと話をする
ためのコミュニケーション」。
もう治らないからといって患者さんを見放すことは許されず、死んでいく患者さんといか
に向き合い、どうやって少しでもベターなライフを過ごしてもらえるか、というのが我々
の使命であると説く先生が教授するのは、医療者としてのプライドと精神(スピリット)
であり、それを維持するためのプロとしての技術であり、技術を支える知識でもあります。
さらには厳しい現実を生き抜く知恵であり、忘れてはならない人情でもあります。
暗く重いテーマでありながら、先生の語る本音トークに教室は笑いが絶えません。ヒポク
ラテスの言葉に始まりパスカル、カント、福田恒存から仁義なき戦いまで多様な引用で、
死と向き合うとはどういうことか、さらに深いところまで学生を導いていく様子は感動的
ですらあります。そして先生が投げかける「あなたならどうする?」という正解のない難
問に、学生は自分の言葉で考え、今出来うる限りの答えを必死に探り出していきます。そ
こには教師と学生の間に人と人としての信頼関係が築かれているように感じられ、それが
この本を読んでいて気持ちがいい理由かもしれません。
先生は、自分の考えが世間一般と違っていてもかまわないがそれを認識しておくべきであ
ると何度も言い、自身と似た考えを持つ学生に対し、「私の言うことと同様だ、というこ
とは世間一般とずれている、ということですからね」と伝えます。先生の考えが世間一般
とずれているのだとしても、それでも確かにここには知識も技術も教養もユーモアもつま
っていて、それは彼らにとって十代最後のかけがえのない時間であることは間違いないよ
うに思います。
「本心から言うけど、あなたたちは、素晴らしい。」こう言われた学生たちは、これから
先、様々な機会にこの言葉が励みとなるのではないでしょうか。(山)

貸出状況はこちらから

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■図書館員のひとりごと■ 活版印刷
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文字がメインの印刷物は、一昔前には活版印刷で作られていました。活版印刷とは、金属
でできた活字を組み合わせたものを原版とする印刷のことです。小説や教科書、もちろん
学術雑誌なども活版印刷でした。よく見ると印刷面にかすかな凹凸があり、なかなか趣深
いものです。
図書館にある古い雑誌にも活版印刷のものがあります。「日本医事新報」は3322号(1987
年12月26日発行)まで、「杏林医学会雑誌」は28巻4号(1997年12月発行)まで、凸凹が確認
できましたので活版印刷だったようです。
英語はアルファベット24文字ですが、日本語はひらがなとカタカナと漢字があります。そ
れにフォントとポイントの種類を揃えるとなると膨大な量で、それを一つ一つ拾って組み
合わせるのは、気の遠くなるような作業だったでしょう。
現在では図書など大きなものは作られていませんが、名刺や結婚招待状などを活版印刷で
作ってくれるサービスがあるようです。活版印刷で作った名刺なんて、素敵ですね。ぜひ
作ってみたいものですが、名刺に負けてしまいそうで躊躇しています。(ふ)

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■編集後記■
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私もつい先日雑貨屋で活版印刷のポストカードを発見しました。やはりあの凸凹は魅力的
です。
なかなかお目にかかることはないかもしれませんが、今後は名刺をいただく際には注目し
てしまいそうです。(山)

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