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2016/12/09
【GCD】日本人がオーストラリア大使館で働くという選択肢

毎週多彩なゲストをお迎えしてグローバルなキャリア形成の魅力を本音で語っていただくGlobal Career Development(GCD)。本日は、在日オーストラリア大使館において教育・科学担当のシニアマネージャーとしてご活躍されている塚本久美子さんにご講演を頂きました。今回もGCDを履修している学生に授業の概要や感想について語っていただきます!

(以下学生の感想)
今回のGCDでは、オーストラリア大使館にご勤務されている塚本久美子さんをお迎えし、私たち学生が普段なかなか知ることができない、大使館内部の業務内容について大変貴重なお話し頂きました。とくに、私はこれまで「日本人が外国政府の大使館で働く」という選択肢についてイメージすら持っていなかったため、塚本さんのお話しはどれも新鮮でした。また講演の後半では、「留学先としてのオーストラリアの魅力」についても沢山お話しを頂き、今後留学を視野に入れている私たちにとって大変有意義な講演となりました。

ところで皆さん、「大使館の職員」と聞いてどのような仕事内容をイメージしますか?きっと過半数の人は、VISAの発給など領事関係の仕事がメインなのでは、と思うかもしれません。しかし、実際そうした業務に携わっているスタッフの割合はむしろ小さく、大多数は政治、経済、貿易・投資、芸術・文化など、幅広い政策分野における日豪間の交流や連携、あるいは情報収集などに関連する業務を担当しているそうです。塚本さんご自身は教育・科学分野で日豪間の連携を強化する業務に従事され、文部科学省をはじめ、日本の関係省庁・大学などとの間で情報交換を行ったり、政治レベルの会議の準備をしたり、といった活動をされているそうです。オーストラリア政府のかなり重要な仕事を「日本人」が担っているということ自体、今回のお話しを通じて初めて知りました。またオーストラリア大使館では比較的、「一人」で行う業務が多いため、同時並行で複数の業務をこなす能力と業務のスピードが問われ、それゆえに体力や精神面も強くなければならない、という点が印象的でした。

オーストラリア大使館では、ほとんど新卒採用を行っていないそうです。したがって、ほとんどの日本人職員は多様な職場を経験した後に転職してきた人々であり、年齢層もバラバラだそうです。このように多様で人生経験が豊かな同僚と一緒に働くことで、たくさんの気づきを得ることができ、また物事の考え方・捉え方も徐々に変化していったそうです。もちろん、時として価値観の違いから意見の不一致もあるそうですが、それでもなお、自分のやるべき業務で良い仕事を続けていけば結果的に良い解決策や成果が生まれることが多いそうです。こうしたお話は、数年後に社会で多種多様な人々と接しながら仕事をしていく私たちにとって、大変に有益なアドバイスでした。

後半の講演では、留学先としてのオーストラリアの魅力についてお話しを頂きました(塚本さんご自身もオーストラリアでの留学をご経験されたそうです)。最近、オーストラリアは留学先としてのみならず、日本の高校の修学旅行先としても人気があるそうです。両国の間には姉妹校が650校もあります。
こうした背景としては、オーストラリアの魅力の多さが挙げられます。たとえば世界的にもレベルの高い教育機関が高いこと、治安が良いこと、アジアに最も近い英語圏であること、英語教育に関する長年の実績があることなどが挙げられていました。
また驚くことに、オーストラリアの学校や大学で日本語は最も人気のある外国語であり、日本語学習者の数は英語圏の国のなかでも最も多いそうです。さらに最近は、日本からオーストラリアを訪れる人の数よりも、オーストラリアから日本を訪れる人の数のほうが多いそうです。以上のデータからも、オーストラリアが親日国であることがうかがえます。
最後に、オーストラリアの都市は「世界で最も住みやすい都市」にランクインしているほか、「学生にとって住みやすい都市」ランキングでも上位にランクインしているそうです。こうしたことも、留学先としてのオーストラリアの人気が高まっている原因なのだと思います。

今回の塚本さんのご講演をうかがうまで、私は大使館職員の業務内容やオーストラリアという国の魅力についてほとんど具体的な知識を持っていませんでした。しかし、ご講演をうかがい、オーストラリア大使館の日本人職員は日豪関係の絆を強化するうえで非常に重要な役割を果たされていることがわかりました。また、大使館では「個人単位」で行う仕事が多いとのお話しがありました。ただ、塚本さんのお話しをうかがい、これは決して「チームワークを軽視した孤独な職場であることを意味するものではない」、と感じました。むしろ職員は自分の専門性を活かす能力と、その結果を他者と調整をしながら仕事を自律的に進めていく能力が問われるような、大変緊張感のある、しかし同時にやり甲斐も大きい職場環境なのだと思いました。

最後の質疑応答では、「オーストラリア留学のデメリットは本当にないのか」、「なぜオーストラリアでは日本語の授業が人気なのか」、「普段一緒に働いているオーストラリア人に対して感じたギャップ」、「交渉力をつけるための秘訣」、「留学の一番の思い出」など、様々な質問が飛び交いました。ご多忙の中、私たちの将来に繋がるアドバイスを沢山いただき、本当に有難うございました。(総合政策学部1年 佐藤珠実)

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