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2016/10/14
【GCD】国際報道カメラマンがレンズの向こうに見た世界

毎週多彩なゲストをお迎えし、グローバルなキャリア形成の魅力を本音で語っていただくGlobal Career Development(GCD)。本日は、国際報道カメラマンとしてNHKで長年活躍された澤辺寛さんにご講演を頂きました。今回もGCDを履修している学生に授業の概要や感想について語っていただきます!

(以下学生の感想)
今回の授業では、元NHK報道カメラマンの澤辺寛さんにお越しいただき、とても興味深く、貴重なご講演をいただきました。私自身もメディア関連の仕事に興味を持っていたため、この講演をとても楽しみにしていました。講演タイトルは「テレビニュースの最前線〜NHK報道カメラマンの仕事」。このタイトルを見たとき、ニュースを制作する過程で「現場にもっとも近い場所」で仕事をしているのは報道カメラマンなんだ、ということを再認識しました。また澤辺さんは講義のイントロで、ある写真を私たちに見せて下さいました。それはプロのカメラマンではなく、視聴者の方が撮影した写真だったのです。最近では高性能カメラを搭載したスマートフォンなどが普及し、さまざまな出来事を誰もが簡単に写真や動画におさめ、生の声とともにリアルタイムで発信できるようになっており、プロのカメラマンの方々も少々焦りを感じているそうです。

講義の前半は、澤辺さんのNHK報道カメラマンとしてのキャリアパスについてお話し頂きました。北海道の帯広や札幌での勤務を経て、次第に海外の取材の仕事も担当するようになり、当時のソ連、フィリピン、そしてタイなどを飛び回る生活がはじまりました。1996年にはペルーの首都リマで起きた「ペルー日本大使公邸人質事件」を担当、ペルー警察が大使館に突入するその瞬間をとらえるまで現地で4カ月も根気強く待たれたそうです。取材のためにアフガニスタンやイラクを訪問した際には、政治情勢や国の治安が日々刻々と変化していき、何が正義で何が悪なのか、自問自答しながら取材にあたられたそうです。最後に、澤辺さんは報道機関でのお仕事やご経験を通じて実感された多くのことについて我々に教えてくださいました。

澤辺さんの講義からは多くのことを学びました。まず、澤辺さんは報道カメラマンとして「伝えること」の責任、プレッシャー、そして難しさと常に向き合いながら仕事をされてきた、という点です。報道の仕事には大きな責任が伴います。私たちはテレビや新聞で報道されている情報に何の疑いもなく接してしまいがちです。仮にメディアが誤った報道をしてしまうと、国内外の世論に対して取り返しのつかない影響を及ぼしてしまう可能性もあります。第二に、たとえ何カ月、何年かけて取材した内容であっても、我々が実際にテレビの番組で目にする映像はほんの一部分にすぎない、ということです。ペルー日本大使公邸人質事件の際も、127日間ねばり強く待ち続けたものの、実際に報道されたのは警察が突入した瞬間だけであったとうかがい、大変驚きました。最後に、報道カメラマンの皆さんはただ単に現場で映像を撮影しているわけではなく、プロとして、何を伝えれば視聴者が理解し、興味を持ってくれるのか、時には何を伝えればお金になるのか(!)などを考えながら、日々カメラのファインダーを覗いている、ということです。

最後の質疑応答では、「なぜ女性カメラマンが少ないのか?」、「現地に向かう時に恐怖はなかったのか?」、「情報を伝える際に大切にしていることは?」、そして「英語圏以外の人々とどのようにコミュニケーションをとったのか?」など、様々な質問が飛び出しました。ご多忙のなか、私たちのために貴重なお話と数多くのお写真を用意して下さり、本当にありがとうございました。(総合政策学部1年 金奈那)

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