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2016/09/30
【GCD】JICA広報官が語った国際協力の現場

毎週多彩なゲストにグローバルなキャリア形成の魅力を本音で語っていただくGlobal Career Development(GCD)。本日は、独立行政法人国際協力機構(JICA)で広報の仕事をされている中野貴之さんにご講演頂きました。今回から、GCDを履修している学生に、授業の概要や感想などについてリレー連載をしてもらいます!

(以下学生の感想)
今回のGCDでは、JICAで広報のお仕事をされている中野さんをお迎えしました。国際的なボランティア活動に興味を持っている私にとって、もっとも楽しみにしていたゲストの一人でした。中野さんはJICAの広報活動を行ううえで、「世界の明暗の両方」を伝えること、そして出張講座や研修などを担当する際、参加型・体験型のアクティブラーニングを用いることを心がけているそうです。今回の講演でも、途上国の現状について参加者が理解しやすいよう、教室内を歩き回り、学生に問いかけ、考えさせるという中野さんの姿に感銘を受けました。

講演は「受講者全員が一分間で白紙に世界地図を描く」というワークから始まりました。私たちが描きあげた世界地図は千差万別。日本が中心のもの、南米が中心のもの、はたまたアフリカが中心のものもありました。こうしたワークを通じて、中野さんは「人には様々な見方がある」ことを私たちに教えてくださいました。

その後は中野さんご自身のお話しへと移りました。中学時代に「将来人の役にたちたい」と思ったきっかけ、東ティモールで国際ボランティア活動をされた大学時代のお話し、就職した銀行を退職し、青年海外協力隊に参加した経緯、そして派遣先マラウイ共和国での体験談などです。とくにマラウイ時代のお話しを通じて、「開発途上国で生きる」ということの意味について多くのことを教えていただきました。後半は、「日本でグローバルに生きる」ことの重要性についてもお話しいただきました。マラウイから帰国した後、震災復興支援の一環として宮城県で行った子供たちに海外のことを伝える活動、JICAの使命や広報職員としての活動に関するお話しなどです。

今回の中野さんの講演で印象的だった点は次の2点です。第一に、知りもしない国について偏見をもってはいけないということです。中野さんも、「東ティモールを訪れる前は不安だらけであったが、実際に現地に行くと、人々は明るく、自然も本当に美しいすばらしい国だということを初めて知った」と仰っていました。たしかに、まだまだ私は世界を知らない、ちっぽけな人間です。にもかかわらず、行ったこともない国や場所について勝手に想像や不安を膨らませてしまいます。実際その国に足を運び、自分自身で感じることがいかに大切か、改めて認識しました。

第二に、海外でコミュニケーションをとるためには「語学力」のみならず「発信力」や「相手を分かろうとする力」も必要である、ということです。日本であたり前の行動、食生活、文化、教育などは、必ずしも世界の標準ではありません。たとえば今もなお、世界には1億6,300万人もの児童労働者がいます。子供や若者をとり巻く環境が日本とまったく異る国が数多くあるのです。そうした状況下では、英語だけ話せても、高い発信力や理解力なしに本当に理解しあうことはできない、と感じました。

最後の質疑応答では、「青年海外協力隊の赴任先としてなぜマラウイ共和国を選んだのか」、「青年海外協力隊で大変だったこと」、「中野さんにとっての幸せとは何か」、そして「中野さんにとってのグローバル化とは何か」などについて質問が出ました。中野さんは一つ一つの質問に真剣に丁寧に答えてくださり、学生から質問の手が下がることはありませんでした。貴重なお時間をさいて多くの刺激を与えてくださった中野さんに改めて感謝したいと思います。ありがとうございました。(総合政策学部1年 藤原寿紀)


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