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ノーベル賞受賞のマーシャル教授を迎え市民公開講演会
〈市民公開講演会のご報告〉


 胃の粘膜から世界で初めてピロリ菌を発見して2005年のノーベル医学・生理学賞を受賞した西オーストラリア大学のバリー・マーシャル教授の来日を記念して杏林大学などが主催して11月17日(金)、調布市グリーンホールで市民公開講演会を開催しました。

 バリー・マーシャル(Barry J. Marshall)教授はオーストラリア王立バース病院で1982年に同僚の病理学者ロビン・ウォレン医師とともにヘリコバクター・ピロリ菌を発見して胃炎や胃潰瘍における役割を解明したとして2005年にノーベル賞を受賞しています。

 本学医学部第3内科教室の高橋信一教授はマーシャル教授と親交が深く、今回のマーシャル教授の来日に高橋教授が尽力したことから杏林大学と日本ヘリコバクタ―学会、それに日本学術振興会が共同主催してこの日の市民公開講演会が実現しました。

 講演会には、一般市民や医学関係者およそ250人が詰めかけ、本学医学部感染症学教室の神谷茂教授による総合司会のもと、最初に高橋教授による「ピロリ菌と除菌療法について」と題して胃潰瘍や十二指腸潰瘍とピロリ菌との関係、また除菌によるその再発率の改善や除菌方法について短時間ではありますが一般市民にわかり易く講演しました。

 つづいてマーシャル教授が、ピロリ菌の発見とピロリ菌を除菌することによる診断治療について講演しました。この中で教授はピロリ菌を発見するまでに、培養は34回実験して失敗し35回目にやっと成功したという苦労した話や発見した後も学会からは長い間無視されてきたことなどについて写真や図を用いて説明しました。そして最後にストックホルムでのノーベル賞受賞式の様子を収録したビデオを上映して講演を締めくくりました。

 講演の内容は同時通訳されて英語の分からない人達もよく理解され、、ノーベル賞受賞者による講演に感銘を受けた参加者は、マーシャル教授に大きな拍手を送っていました。

 この講演に先立ちマーシャル教授は、杏林大学病院を訪れ、高橋教授の案内で外来棟の内視鏡室、高度救命救急センターのERや熱傷センター、中央病棟ICU等を見学しました。この後外来棟6階のレストラン「ガーデン」で松田博青理事長はじめ本院関係者の歓迎を受け、しばし和やかに歓談しました。

 この後マーシャル教授は19日に都内で21日には大分市で(大学等主催)市民向け講演をした後23日に帰国の途に就く予定です。


2006.11.20