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スマトラ沖地震で被災したスリランカからの留学生、今春 無事大学を卒業
学内支援に対してお礼の手紙

 2004年12月26日のインドネシア・スマトラ沖を震源とした大地震による津波で、家族や親族などを亡くし、仕送りも途絶えてしまったスリランカからの留学生、アジット・ヒングランガラさん(35歳)が、3月16日に行われた杏林大学卒業式に臨み、晴れて学位記を手にしました。

 被災後アジットさんは精神面でも大変苦しい状況でしたが、将来祖国の復興に尽力するため日本にとどまり勉強を続ける決意をしたため、本学では学納金の一部免除を行うとともに、大学の父母会組織「杏会」や大学の教職員有志が発起人となり義援金を呼び掛けるなど支援の輪を広げてきました。また、教職員や学生がアジットさんの相談に乗って心のケアを行うなど彼を励まし見守ってきました。

 今回、卒業にあたりアジットさんから学長、外国語学部長、父母会組織 杏会会長宛てに支援に対するお礼の手紙が寄せられました。





学長 殿
外国語学部長 殿
杏会会長 殿
 私は外国語学部外国語学科4年のアジット ヒングランガラと申します。
 私は、2年前の2004年12月26日、インドネシア・スマトラ沖を震源とした大地震による津波で、自宅・兄弟・多くの親類を亡くし、母親独りが知り合いの援助を得ながら母国で暮らしています。今、悲しい災害から2年が経ち、母国の人々も少しずつ回復に向かっています。失われた人々の命と人々の傷ついた心は戻りませんが、それでも確実に私の母国は周りの国々の援助を受け復興に向けて進んでいます。これも本当に感謝すべき事です。私もこの2年間、苦しい事や辛い事がたくさんありましたが、一つずつ乗り越え今に至る事が出来たのは皆様のおかげです。不自由なく勉学する場所を与えてくださった大学関係者の皆様、支えてくれた友達に感謝しています。現在のところ就職先は確定していませんが、卒業後も就職活動を続け、日本の企業に就職し、家族を守りながら日本と母国の為に貢献していきたいと思っております。

 皆様に様々な面で助けていただき、学業に専念する事が出来ました。経済的にも精神的にも大きなショックを受け、日本での勉学を継続出来るかどうかも危ぶまれた時、大学から学納金1学期分を免除していただいた上に、大学の教職員有志の皆様が発起人となって義援金を募っていただき、また杏会からは、その後の殆どの学納金を支援いただき、この度杏林大学での4年間の学業を無事終え、今日の卒業式を迎える事が出来ました。私の学納金を支援していただいた皆様に心から感謝しております。本当にありがとうございました。杏林大学で過ごした日々と一緒に過ごした友人は私の財産となりました。卒業後も、この御恩を忘れず、一生懸命頑張っていきたいと思います。厚く御礼申し上げます。

平成19年3月16日
外国語学部 外国語学科4年
AJITH HINGURANGALA





2007.3.19