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文部科学省特定領域研究
「膜輸送複合体」第一回若手ワークショップ開催報告
 
 特定領域研究「膜輸送複合体」主催の「第一回若手ワークショップ」が、1月27日から29日の2泊3日の日程で、「富士ハイツ」(静岡県富士市)で行われました。
 今回は、杏林大学医学部薬理学教室講師の安西が代表世話人として、その他若森 実(京都大)、大槻純男(東北大)、竹谷 豊(徳島大)、日比野浩(大阪大)の4人を世話人として、会の企画・運営を担当しました。
 富士山の麓、天気にもまずまず恵まれて、3日間にわたるワークショップは参加者の熱気の中、あっという間に消化されました。

 若手ワークショップの目的は、生体膜輸送研究あるいはその関連分野の研究に携わる若手が、お互いに自分の研究を発表し合うことで、一緒に膜輸送研究の(自分達の)将来について考える機会を持ち、運命共同体(?)ともいえる同分野で頑張る同世代の繋がりを作っていくことでした。
 今回は大学院生の学位論文の発表や審査の時期と重なってしまい、大学院生の参加が難しく、参加者が集まるかどうかが懸念されましたが、77人もの大勢の方々に参加いただき、初回の若手ワークショップとしては上々の滑り出しでした。

 今回は、47題の演題を発表いただきましたが、全てを口頭発表とし、シンポジウムを5つ、一般口演セッションを6つ企画しました。1会場でこの演題数を全て割り振るのはかなり難しく、発表時間が短くなってしまい、時間オーバーする演題も続出しました。
 各演題の内容もさることながら、質疑応答も非常に活発で、殆ど全ての演題に会場から質問が出されました。質問者が一部のメンバーに偏ることもなく、大学院生も含めてかなり積極的に質問をしていました。
 最終日になっても質問が減ることはなく、むしろ前半とは違った人たちが討論に参加してくるなど、3日の間にすでに若手ワークショップの効果が現れてきていました。

 今回の企画の目玉のひとつとして、5つのナイトレクチャーを設定しました。まず、分野を第一線でリードする4人の先生(酒井規雄先生・広島大、竹島浩先生・京都大、久保義弘先生・生理研、金井好克先生・杏林大)に、ご自身の経験・人生観や研究に対する姿勢など、できるだけ肩が凝らない形式で、ご講演をお願いしました。何故、科学を志したか、学生時代や留学時代の体験、現在の本音など、若手のみならず、中堅にも大変役立つお話となりました。
 更に、2日目の夕方には、世話人の「留学体験談」のセッションを企画しました。特に留学を考えている若い研究者にとって、少しでも参考になればと、留学の良かった点、問題点など、ざっくばらんに披露しました。若手ワークショップならではとも言えるこのようなナイトレクチャーは、若手の参加者にインパクトを与えたように思われます。

 以上、若手ワークショップの報告を列挙してきましたが、初回にしては、大盛況のうちに終えることができたと思います。最後に、お忙しいところ参加して頂いた先生方、若手を派遣して下さった各教室、会場係をして頂いた杏林大と阪大のメンバー、そして何よりも参加して頂いた方々に厚く御礼申し上げます。

医学部薬理学教室講師 安西 尚彦

2007.3.19
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