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6月の図書館展示企画
『リンディスファーン福音書』を展示


 杏林大学人文・社会科学図書館では、学生にさまざまな分野の貴重な図書や資料に触れてもらおうと、教員の協力のもと毎月、展示企画を行っています。

 6月度は、外国語学部の伊藤盡准教授企画により『リンディスファーン福音書』を展示いたします。1300年を遡る昔、イングランド僻北の地、北海に面したリンディスファーン島の修道院聖壇に、聖人カスバートをたたえる遺物と共に飾られていたこの福音書は、幾多の変転の後、現在は大英図書館に保存され、装飾写本の傑作として、その芸術的価値や学問的価値の高さから、英国の国宝と呼ばれています。

 展示の当館所蔵ファクシミリ版は、細部まで忠実に再現されたものです。因みに『福音書』とは、イエス・キリストの言行録であり、著述した弟子の名前を頭に付けたマタイ・マルコ・ルカ・ヨハネの四種の福音書で構成されたもので、『リンディスファーン福音書』も、内容はそれから外れるものではありません。それどころか、その内容は、例えば岩波文庫版「福音書」などで容易に日本語でも読めるものです。『リンディスファーン福音書』の価値は、その内容よりむしろ、古代イングランドの精神世界や信仰世界も読み解くことの出来る、工芸としての逸品性にあるともいえましょう。

 伊藤准教授が、イングランドへのキリスト教伝播から説き起こす、要を得たリーフレットを作ってくださいました。リーフレット後半では、“ダ・ヴィンチ・コード”のロバート・ラングドン教授張りの、図像学を駆使した『リンディスファーン福音書』解読を展開してゆきます。それもお楽しみに、より深く『福音書』理解の出来るリーフレットをご一読ください。
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2007.6.11
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