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■□■杏林大学医学図書館ニュース■□■ 第104号 2020.12.1配信

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□Contents□

■ご挨拶■ 
■図書館からのお知らせ■ 
■お勧め図書■ 
■図書館長のご一考願い■ 
■図書館員のひとりごと■ 
■編集後記■ 

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■ご挨拶■

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毎年感じることですが、もう12月だなんて早いですね。
COVID-19に振り回されたせいもあるのでしょうか、今年は特に早く感じています。
まだまだ世界は先の見えない長いトンネルの中。
どうぞ体調管理と感染対策を意識しつつ、心だけは自由にお過ごしください。
今年最後のメルマガをお送りします。

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■図書館からのお知らせ■

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医中誌WebやPubMedで検索した結果に「LINK@杏林大学」のアイコンが表示されることはご
存じかと思います。
このアイコンから図書館で論文を入手するまでの案内動画を公開しました。
電子ジャーナルが広く利用されるようになり、書架で迷う方が増えていますが、この動画
を見れば解決です!
ぜひご覧ください。


12月23日(水)までに貸出した図書は1月13日(水)が返却期限日となります。
また現在貸出中の図書も、期限が切れておらず他の利用者からの予約がなければ、同様に
1月13日まで貸出期間の更新ができます。ぜひご利用ください。


12月28日は年内最終日で、13時までの短縮開館となります。
12月29日から1月3日までは休館、新年は4日(月)から開館いたします。
開館スケジュールはホームページのカレンダーでご確認ください。

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■お勧め図書■

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『凍(とう) / 沢木耕太郎著. -- 新潮社, 2005.』
(請求記号 : 913.6:To11 / 資料ID : 0018052977)


先月号のメルマガ「教員のひとりごと」はご覧になりましたか。
粟崎先生が「なんたって、あの『深夜特急』の沢木耕太郎」と称されたのを見て、沢木耕
太郎の作品を何が何でも読んでみたくなったのは私だけではないはず・・・
というわけで、今回は医学図書館で所蔵しているこちらのノンフィクション・ノベルをご
紹介したいと思います。
11歳の時から山に魅せられ、山のことしか考えていなかったという山野井泰史は、同じく
登山家である妻と共に、ヒマラヤ山脈の難峰ギャチュンカン登攀に無酸素で挑みます。
標高約8000メートル。強靭な体力と精神力を持つ二人ですが、垂直に切り立った岩肌と悪
天候に阻まれ、高山病に悩まされ、数々の危険にさらされます。
やっとのことで生還したものの凍傷で指を失い、それでも尚、山への思いを募らせる二人。
そうまでさせる山の魅力とはいったい何なのでしょうか。
『深夜特急』もお勧めですが、年末年始のお休みには、ギャチュンカンの極寒とアルパイ
ン・スタイル・クライマーたちの熱い思いを疑似体験できるこの一冊を是非どうぞ。
(清)

☆貸出状況はこちらから☆

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■図書館長のご一考願い■ 教養って?

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私達が大学生だったころはどこの学部に入学しても教養課程というものがあった。
教養課程のキャンパスは医学部とは違ったし、教える先生方も医学部所属である方が珍し
かった。
3年生になって解剖学が始まるまでは、大学生になったとは思ったが、医学生になった気
はしなかった。
ところが、今の本学医学部のカリキュラムをみると1年生から解剖学の講義が始まってい
る。
医学教育の国際標準に合わせて臨床実習期間を確保すると「教養課程」にしわ寄せがいき、
大学によってはほとんど教養課程が存在しなくなっているところもあると聞く。
医学部を医師国家試験に合格させるための教育機関とすると、国家試験とは何の関係もな
い一般教養に時間をさくのは無駄だというのかもしれない。
確かに私達の教養課程の過ごし方が当初それを考えた人たちの思惑通りにいっていたかと
いうと、甚だ心許ない。
お手盛りの教養科目よりは、社会勉強という言い訳で、大学入試がすんで、職業訓練たる
医学部の学習までの空白期間として遊び呆けていた人(筆者がどうだったかは想像におま
かせする)も結構いた。
教養ある人間になったかどうかという客観的な尺度はないので評価機構お得意のPDCAには
なじまない。
しかし、世の中の大事なことは数値化できないのではないだろうか。
良い音楽をきいたときの感動の前には、演奏者のXXコンクールでの成績などどうでもよく
なってしまう。
10月の図書委員会で選書の方針を検討したところ、医学図書館の選書のリストに一般書を
入れてはという提案があった。
全員一致で賛成したのだが、私個人としては、この試みにより、図書館の片隅の一冊の本
から誰かの世界が医学の枠を超えて広がれば、そして、そのような自発的な読書がその人
の教養の礎を築くのに寄与してくれればと願うのである。(櫻井)

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■図書館員のひとりごと■ けだし後世に残る名校歌

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最近、NHKの連ドラ「エール」で話題になっている古関裕而という名前を久々に聞いた。
子どものころはテレビ番組の家族対抗歌合戦の老審査員として、大人になってからは杏林
大学校歌の作曲家として馴染みのある人物であった。
古関は歌謡曲のみならず、軍歌、校歌、応援歌、映画音楽等きわめて幅広く作品を残して
いる。
例えば「六甲おろし」「闘魂こめて」などのプロ野球応援歌、「露営の歌(勝ってくるぞ
と勇ましく~♪)」などの軍歌、ザ・ピーナッツの歌う「モスラ」は昭和生まれであれば
知らない人はいないだろうし、古関メロディは無意識に我々の中に溶け込んでいるといえ
よう。
校歌・カレッジソングなどは、杏林のみならず、小学校から大学まで相当数の作品を残し
ている。
大学に関して言えば応援歌が卓越しており、代表曲「紺碧の空」は早稲田大学校歌「都の
西北」と肩を並べる名歌である。
早慶戦でライバルの慶應義塾大学は古関に「我ぞ覇者」という応援歌を作曲させているが、
残念ながら「若き血」に知名度は及ばない。
さて、杏林大学の校歌について。
『杏林學園十五年史』によると、本学の国文学講師池田文雄が作詞、古関裕而が作曲して、
昭和50年3月7日に完成したとある。
「さすが巨匠の作曲だけに、手なれたもので」「歯切れがよく、力強く、まさに杏林大学
のイメージそのものの出来栄え」であり、「その歌調は万人に親しみ易く、学園のあらゆ
る諸行事、会合に広く歌われており、けだし後世に残る名校歌の一つ」とここまで言うか
の大絶賛(!!)である。
さらに藤山一郎(歌手。「東京ラプソディ」「青い山脈」「丘を越えて」などが代表曲)が
レコードを吹き込んでいて、これだけのビッグスターによく依頼できたものだと感心して
しまう。
ちなみにそのレコードは今も井の頭図書館のメモリアルルームに展示されている。
自分もかなり前に何回かその藤山一郎版を耳にしたことがあるが、機会があればもう一度
聴いてみたいと思っている。(よ)
(参考文献:杏林學園十五年史 : 1966~1980 / 杏林学園編纂. -- 杏林学園, 1981.

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■編集後記■

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古関裕而が杏林の校歌を作曲していたなんてびっくり!
さっそく我が家の朝ドラ大好き小5女子に自慢しちゃいました。
古関氏は杏林大学看護専門学校の「キャッピングの歌」も作曲しており、毎年戴帽式で歌
われていましたが、こちらはレコードはないようです。
看護専門学校は昨年度末で閉校でしたので、「このまま歌い継がれることなく忘れられて
いくのだろうか」と少ししんみりした気持ちになりました。
福島市古関裕而記念館のホームページを開いたところ、校歌一覧ページがあり、そこには
杏林大学の名も。
ですが、なんと!「キャッピング」ならぬ「キャンピングの歌」と明記されているではあ
りませんか。
しんみりした気分が吹き飛んだ瞬間でした。
キャンプだホイ、キャンプだホイ、キャンプだホイホイホーイ・・・ (清)


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