研究推進センター長挨拶

2026年度より、研究推進センター長を拝命いたしました。責任の重さに身の引き締まる思いであり、本学の研究力のさらなる発展に微力ながら尽力してまいります。
杏林大学医学部は1970年、戦後初の私立医科大学として設立されました。現在では、杏林大学は医学部をはじめ、保健学部、総合政策学部、外国語学部の4学部を擁する総合大学へと発展しています。
本学は、建学の精神である「眞・善・美の探究」に基づき、良医の育成を目指してまいりました。
私は、良医であるためには生命科学の確かな素養が不可欠であると考えています。とりわけ医学においては、日進月歩の進歩の中で社会や患者さんに適切な医療を提供するために、科学的視野、客観的思考、そして何より探究心が求められます。
私自身は大学院に進学せず、いわゆる乙課程で博士号を取得いたしましたが、留学時代の基礎研究や帰国後のトランスレーショナル研究の経験は、臨床医としての成長を大きく支えてくれました。
こうした「研究を通じた成長」は、医学部に限らず、保健学部、総合政策学部、外国語学部といったすべての領域に共通する価値であると考えています。
本年度より、本学には宇宙医学に関する研究など、学部横断型の新たな研究拠点として生命科学研究センターが設立されました。また、データサイエンス教育研究センターの整備や、大学病院における臨床研究センターの設置など、研究基盤は着実に充実しつつあります。
一方で、課題も明確になってきています。とりわけ喫緊の課題は、中堅・若手研究者の育成です。科研費をはじめとする外部資金の獲得状況を見ると、中堅・若手層の存在感は必ずしも十分とは言えません。また、教員評価の結果からも、講師・准教授層における研究業績のさらなる向上が期待されます。すでに実績を有する教授層が研究を牽引することはもちろん重要ですが、本学の将来を見据えたとき、講師・准教授層の研究活動の活性化はまさに生命線であると考えています。
研究推進センターとしては、中堅・若手研究者が主体的かつ継続的に研究活動に取り組める環境整備と支援体制の強化に努めてまいります。
加えて、研究リテラシーの向上も重要な課題です。近年、AIの活用により研究の利便性は飛躍的に高まりましたが、それと同時に研究倫理に対する一層の高い意識が求められています。時代の変化や法制度の更新に対応した研究倫理教育の充実にも、積極的に取り組んでまいります。
今後とも、本学の研究活動へのご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2026年4月
研究推進センター長 久松理一