重要なポイント(シリーズ630-2-1.sp.st.tech1〜7

実技編

 詳細解説・特殊染色の方法とその読み方」

                 杏林大学保健学部 臨床血液学(教授) 中竹 俊彦

 この解説の次に,パワーポイントで特殊染色は(シリーズ630)に提示しています。

シリーズ630-2-6.PAS 

VI.PAS染色:

 PAS:過ヨウ素酸シッフ反応(Periodic Acid Schiff reaction)

 急性リンパ性白血病の一部と赤芽球系の異常細胞(FAB M6およびMDSと巨赤芽球性貧血との鑑別など),また骨髄腫でM蛋白の蓄積された細胞のときには有用性がります.血球中の多糖類(おもにグリコーゲン)の証明に用いられます.

 

VI-1.PAS染色の方法

 1)固定液(10%ホルマリン メタノール)5分

 2)流水水洗5分

 3)乾燥

 4)1%過ヨウ素酸5分

 5)蒸留水5分×2

 6)乾燥

 7)シッフ試薬15分

 8)亜硫酸水(亜硫酸水5:1N HCl 5:蒸留水)で5分×3

 9)流水水洗5分

 10)乾燥

 11)ヘマトキシリン(マイヤーの処方)10分

 12)流水水洗5分

 13)乾燥

 

VI-2.PAS染色の読み方

 1)リンパ球系細胞:PAS反応陽性物質は原形質内に顆粒状(桃色〜紅色)に染まる.

 2)顆粒球系細胞:好中球は各成熟段階とも瀰漫性に強く染まる.骨髄芽球は陰性か弱陽性である.好酸球の顆粒は陰性.

 3)血小板系:巨核球,血小板ともに瀰漫性または顆粒状に陽性.

 4)赤芽球:ほとんど陰性

 単球系細胞,顆粒球系細胞とリンパ球系細胞との間ではPAS反応陽性物質の現われ方に著しい差異が見られるので,リンパ性白血病と骨髄性白血病,単球性白血病を鑑別する1つの方法となります.赤白血病の赤芽球では染色像が陽性です.

(参考資料)

1.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(1)

2.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(2)‐リンパ球を追う‐

3.中竹俊彦:マルクマスター,ブラストマスター(ともに,CD-ROM教材)

次のPPシリーズ620へ移る

 

次々:特殊染色:PPシリーズ630へ移る

<シリーズ000の目次へ戻る>

次のシリーズ000

<総合目次へ戻る>

<教材の御案内>

 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

  (頒布いたします)

入手方法の問い合わせ( nakatake@kdt.biglobe.ne.jp )半角アットマークで可能です。