<Q&A>(通称・駅前塾のご案内) Q&A(その I)〜(その II)を掲載しています

駅前塾ホームページ(資料1):H.20.6.16

質疑応答(その I):N技師長(中竹の友人)からの感想・疑問点について、中竹俊彦が応答します。

Q1-1.先生はいつまでも教育者ですね

 じつは、私は現場の事情を知る者として、「学校が卒前に教えきれていない」 ことの反省の場に自分自身が立っているからです。学校の責任を感じて40数年過ごしてきたからです。苦労している技師たちを見放せないからです。

Q1-2.受講料について

 研修内容を個人に決めさせ(ここが指導の難しいところ)、それを貴君達ベテランがコーチするということを想定しています。もちろん先輩にご指導を受けるコーチ費用は有料です。したがって、コーチは間もなく有償ボランティアと位置づけていきます。たとえば、貴君からみて、K君のようなレベルの技師がKDHという医療施設に勤めていると仮定して、KKさんやHKさんは多忙で指導しない(その暇がないので)となった場合、その希望者が貴君を指名したら、指導内容が了解事項(OK!)としてコーチ1回(90分間)の指導を施すと、いくら要求するのがコーチの貴君としては妥当だと思いますか? また、相手がK君ならば、いくら払うべきと見積もられますか? (K君が、受講費用を支払うのはいやだ、といえば有償のコーチは出来ないのです)

Q1-3.その指導に甘えるのがでてくるのでは?

 当然、それはいけないことです。受講者はコーチ会議で決めますから、甘い性格の受講者(人物性)はお断りも出来ます。そして個人ごとの研修には必ず「自分で納得したクリティカルパス」をコーチと共同して作り、利用します。当然、受講者の甘えが出てくると、「チェック」が入ります。本人の納得づくならば、宿題も出します。宿題はメールでの指導・交信も納得の上で予定します(これも有料です)。今の見積もりでは、1回90分の現場コーチ(顕微鏡ディスカッション)、あるいはメールでの宿題指導などに1回あたり1,000円を負担してもらうつもりです。これもベテランには「コーチ料を3,000円くらい」にしないといけませんか?けれども、受講者K君は能力レベルが上がっても、標本(被験者)からは1円の謝礼も手にすることはできないのです。

Q1-4.どこまで教育するのですか?

 これは受講希望者が自分で決めます。つまりどこまで鑑別が出来るようになるのか、誰がどこまでコーチするのか、先に決めてから納得の上で始めるのです。したがって、どこのレベルからでも入れるし、どこで降りることも出来ます。あくまでも本人の意思とコーチの協力で進めることです。コーチが見放しても良いけど「指導放棄」にならないように、受講者が「次に取り組むべきステップが、自分で分かりました」というまで、相手してからの乗り換えの話です。

Q1-5.自らやる気のある技師でないと教育しても徒労におわるのでは?

 受講生の受入れ基準が難しいような気がしますが。

 今その人に必要なことだけを本人の希望に応じてコーチが指導するのです。余計なことはしない。だから、まず技師長が「よその指導を、君は本気で(自腹で)受けて来い」と言うべきです。受け入れ基準は、準備してある「自己チェック式」の事前調査を受講者個人に行なわせます。つまり、受講者は、自分は何が出来て、何が出来ないのかを自分で知ってからスケジュールを組むのです。それをコーチが協力して支える方式にしようと、チェック書類を準備しました。だから受け入れ基準は、誰でもチェックシートを記入していくと、自然に問題点のありかが受講者本人で分かる方法です。かなりの経験者でも、常に問題を抱えているはずです。

 こうした指導のソフト面は、大学と現場の双方向を観てきた私なら組み立てられるという自信もあります。もちろん、チェック シートの改善やコーチ方法のレベル アップもコーチ自身が学習する必要があります。N君がコーチとなって指導可能なレベルも、まだもう少し上まで進歩するはずです。  (Q&Aその I 終わり)

駅前塾ホームページ(資料2):H.20.6.16

質疑応答(その II):J技師(中竹の友人)からの感想・疑問点について、中竹俊彦が応答します。

 

Q2-1.血液塾の案内を拝見しました。形態学など技術の伝達では特に、コーチの方が後輩に何を伝えるのかが重要であるように、こちらもどのように受け取るのかが重要だと思っています。

 このお考え方はまさに、私が訴えてきたことの「意味」が十分に貴君の「理解」となって、貴君の声になって私へ戻って来ました。いわゆる本当の意味の「私の声に、応答があった」ということです。お互いに響き合うものがあるということです。このような「基本条件」を満たした後で、お互いの意見(理解のうえでの反応)があって、新しい情報の共有が成り立つ準備が整った、ということなのです。貴君は在学時代、4年次に血液学研究室を経由した卒業生ではないのに、ここまでの「心の生長」があったからこそ、即座にこのような交信ができる条件を「乗り越える」ことになった、と私も考えます

Q2-2.知識や技術は遠く及びませんが、意欲や好奇心や向上心をもって勉強させて頂きたいと思っています

 これは、先輩から物事を学ぶ人物(世間一般に、後輩といいます)が、見て学ぶ、あるいは技術を見て「心で盗む」ことです。それが完了に近づいたとき、昔ならば、先輩(先生)が「秘伝の巻物」を弟子(後輩)へ、伝授したのだろうと思います。多分、その巻物の記述内容は弟子(後輩)がそこで紐解いて読むことをしなくとも、十分に伝わってしまっていて、場合によっては「何も書かれていない」巻物も伝承という「世の流れ」の中にはあったのではないかと、私なりに「想像」できます。世に「口伝(くでん)」という言葉もあります。最も大切な情報は、文字や画像ではなく、その人からの「静かな言葉」となって相手の心に届けられます。

Q2-3.また、自己研修プログラムで今後の取り組みなども決まると思いますが、自己分析だけでなくコーチの方とのディスカッションをし、自分がどの程度のレベルであるのか見詰め直すことも出来るので楽しみにしています。 

 貴君はじつによい感受性で、私の構想する「伝授の方式」を正しく理解し、受け止めてくれました。各自がどの位置に立って物を考え、今後の進歩を期待しているのか、大切なポイントです。そこを分析・解析した上で、先輩(コーチ)とのディスカッションを通じて「自分のレベル(立ち位置)を心底から見詰め直して、そこからの道筋をコーチと共に目印を付けて進んで行く、これが「駅前塾の基本形式」だと説明できると思います。

Q2-4.個人の持ち物としては、ノートパソコン、デジカメ、標本は持っていきますが、症例の検査データはどうしたらいいですか? 印刷してお持ちしたほうがよろしいでしょうか。その他必要なものがあれば教えてください。

 まずその前に、大切な持ち物は「学ぶ者としての心」ですが、上記のようにそれは貴君(J君)の場合はすでに解決しました。次に貴君は記録媒体としてのPC、デジカメ、そして自己の「頭脳に記憶能力のスペースを空けて準備しておく」ことです。そして参加してくると最初に「読むべき標本(患者情報を匿名化されたものに限る)」が必要ですが、「標本は貴君の手元にあって、駅前塾にない」ことが駅前塾の「弱点であり特徴」なのです。そのために、多くの施設では標本の重要な所見に気づかないうちに目の前を流れていってしまう「貴重な標本」を、先輩となった人たちが「指摘して教材にする」、その「収集役を会員が買って出る」ことができれば、残るのは顕微鏡のある会場や電子メールを通じた「会員とコーチの情報交信」です。

 そこで、貴君が会場へ来て、貴君も含めて会員に必要な「解決すべき問題点」を明らかにし、その問題をコーチの誰が受け止めてくれるのか、どのように解決の手伝いをしてくれるのか、今後の「納得のいくディスカッション」が展開されるはずです。          (Q&A その II 終わり)

 今後、この通称「駅前塾の開催状況」は、杏林大学臨床血液学研究室ホームページhttp://www.kyorin-u.ac.jp/univ/user/health/blood/ から「研究室について」をクリックして、「駅前塾のページ」から見ることが出来ます。

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