杏林大学医学部付属病院 研修プログラム
① チーム体制

  ・心臓・胸部大血管チーム;           4名

  ・腹部大血管・末梢血管チーム;   8名   

  の2チームに別れて診療を行なっています。

 

              →   心臓血管外科専門医 8名、内 修練指導医 5名が在籍しており、

                    技術・医学知識のみならず、学術指導も厚い指導を行います。

 

② 修練される領域

・成人心臓・胸部大血管

・腹部・末梢血管

・血管内治療                               

  主要4領域中、3領域を修練します。

 

③ 経験される手術領域

 

⑴ 成人心臓・胸部大血管領域

・虚血性心疾患:        症例に応じて、on-pump beating CABG、および、off-pump CABGを施行しています。

・弁膜症:                   MRに対してMVPを主軸に施行。MICS approachも導入待機中です。

                                    ASに対して、循環器内科にてTAVI(TF or TS approach)を施行。                                        

             TAVI施行医、および、指導医獲得にて、TAVI手術に参加しています。

・胸部大血管:            当院は、多摩地区における大動脈ネットワーク基幹施設です。

                                     大動脈緊急症に対する緊急・準緊急手術を施行しています。

                                     Open repair + TEVAR(同時 または 段階的)と、hybrid手術も施行。

・その他:                 重症心不全に対する外科治療を行っています。当院は、植え込み型補助人工心臓管理施設に認定されており、循環器

                                   内科と合同で補助人工心臓管理を行っています。緊急症例に対して、当院にて体外式補助人工心臓を装着し、状態を

                                   安定させて連携施設である東京大学病院 心臓外科で植え込み型VADへの移行を行っております。重症心不全に対し

                                   て、連携施設にて植え込み型補助人工心臓、および、心移植の修練を行うことも可能です。

⑵ 腹部・末梢血管

・腹部・腸骨動脈瘤: 腹部・腸骨動脈瘤は症例に応じて開腹手術、ステントグラフト内挿術を含む血管内治療を施行しています。

・内蔵動脈瘤: 手術適応の内臓動脈瘤は積極的に血管内治療を施行しております。

・閉塞性動脈硬化症:循環器内科、および、形成外科と連携し、積極的なlimb salvageを行っています。血管内治療のみならず、distal   bypass、特に3分岐以下へのバイパスを施 行し、さらに麻酔科と連携し局所麻酔+ブロック麻酔による低侵襲手術も行っています。

・下大静脈疾患: 他診療科(消化器外科、泌尿器科 等)におけるガン浸潤・進展に対し、複数科にまたがる外科治療を行っています。

・下肢静脈瘤:基本的治療は血管内焼灼術であり、診断、評価、治療まで当科で完結し、実施医の獲得が可能です。症例に応じてstripping手術も行います。

・慢性腎不全(blood access):当院の腎臓内科は多摩地区における人工透析導入の主たる施設であることから、約140-150人/年のblood access手術を行っています。

・その他

⑶ 血管内治療

・胸部大動脈

・腹部大動脈:TEVAR、および、EVAR共に行っており、TEVAR指導医 3名、EVAR指導医 4名が在籍しています。

    TEVARは、Zone2、3に対してはbypass併施(基本はSupra-subclavian Aへのapproach)、Zone0に対してはNajuta deviceを用いて2-debranchingで行っています。

    EVARはSupra-renal arteryにおいても、chimney法を用いた治療を行っています。

    腸骨動脈領域へのEVTも行っていることより、基礎経験を獲得後、実施医の獲得が可能です。

・閉塞性動脈硬化症:積極的なEVTを行っています。また、open repair + EVTによるhybrid手術も施行しています。

・内蔵動脈瘤:当科、または、放射線科と協力し、EVT(coiling and/or stent-graft)を施行。

・慢性腎不全 :  内シャント狭窄閉塞に対するEVT(Vascular access intervention therapy; VAIVT)を行っています。また、内シャント、および、上腕動脈挙上術が不適応症例に対        して、永久留置カテーテル挿入術を施行しています。

 

④ 週間スケジュール

(ⅰ) 心臓・胸部大血管チーム

 

(ⅱ) 腹部大血管・末梢血管チーム

 

 

              Co; カンファレンス、Ro; ラウンド

              上記の週間予定で行っております。

              夜間、土曜日、日曜日、祝日は、on call体制としています。

 

⑤ Off-Job training

心臓血管外科専門医・修練医の指導による、OFFJTを行なっています。

  • 血管吻合: 市販キット and/or 人工血管を使用

・静止野

・YOUCANを使用したOPCAB training

  • 人工心肺: Dry circuitを用いた人工心肺組み立て、および、操作訓練

      Dry circuitで十分な訓練後、臨床にて体外循環経験 5症例を行います。

  • Wet Labo: ブタ心臓を使用した、人工弁置換 and/or 形成術

 

⑦ 連絡先

        施設見学、およびプログラム内容についてのご質問等は、下記アドレスへmailまたはTelのほど お願い致します。

  • 心臓血管外科教室

 お電話:0422-47-5511

 F A X :0422-42-7587

 

  • 心臓・大血管

 准教授 遠藤 英仁;           hendo@ks.kyorin-u.ac.jp

 

  • 腹部大血管・末梢血管

 講師  伊佐治 寿彦;         isacci1976@gmail.com

 

  • 修練責任者

 主任教授 窪田 博 ;     kub@ks.kyorin-u.ac.jp

 

 

さいごに

心臓血管外科専門医の獲得は必須事項ですが、多くの施設で症例を経験し1つ1つ丁寧に知識、および、技術を身につけ、社会に貢献できる医師を輩出できるよう頑張って頂きたいと思っております。