精神神経科とは

 心と脳の関係についての関心が高まっています。脳が心を生み出すということは医学教育を受けてきたものには、ごく自然に受け入れられる考え方でしょう。脳機能画像によってそのことに関するエビデンスが多く報告されています。

 しかし精神科の医師には、心が脳に作用すると考えているものが少なくありません。それは心理的なストレスがあれば脳の機能まで障害されていることを日常の臨床の中でよく経験しているからです。精神科でも他の臨床科と同じように患者さんを拝見するときには客観的な所見を重視します。しかし実際には、医師の人柄や考え方が治療に強く反映されることがあります。

 患者さんと医師の間の良いコミュニケーションが、脳のはたらきにまで影響して障害の改善をもたらすことは少なくありません。このような治療は精神科独特のものといってよいでしょう。もちろん薬物は治療の基本となるので、フレッシュマンには薬物についての基本的な知識は十分に身に着けてもらいます。その上で精神療法といわれる心と心の繋がりを重視した治療を学んでいただきます。

 個々の医師のすぐれた個性を治療に活かし、その効果を客観的に見極めていく。これが精神科の治療法の基本です。人の心に触れてその障害を癒してさし上げるのが精神科の役割です。若い医師は、患者さんの治療を進める中で、心の深奥の不思議さ、そしてその魅力に尽きせぬ興味を抱くに違いありません。

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