院外活動 社会貢献
診療看護師 高橋大作さん(所属:救急外来)
【過去の災害診療支援活動 一覧】
活動年 | 災害名称 | 派遣隊名 |
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2016年 | 平成 28 年(2016 年)熊本地震 | 災害人道医療支援会(HuMA)二次隊 |
2018年 | 平成30年7月豪雨(岡山県倉敷市) | 災害人道医療支援会(HuMA)健康調査 |
2018年 | 平成30年北海道胆振東部地震 | 日本DMATロジステッィクチーム |
2019年 | 令和元年東日本台風(長野県千曲川) | 災害人道医療支援会(HuMA) |
2023年 | トルコ・シリア地震 | JICA国際緊急援助隊 |
2024年 | 令和6年能登半島地震 | 日本DMATロジスティックチーム |
熊本地震での活動
2016 年4 月14 日午後9 時26 分、熊本県熊本地方を震央とする、震源の深さ11km、気象庁マグニチュード6.5の地震(前震)が発生し、その後、熊本県益城町で震度7を2回観測しました。
私が病院外の活動として所属している災害人道医療支援会(Humanitarian Medical Assistance;HuMA)本隊第2次隊看護師派遣隊員として現地活動を10日間行い、その中で、阿蘇地域災害保健医療対策復興連絡会議(Aso Disaster Recovery Organization;ADRO) 阿蘇支部の運営、避難所の集約と巡回診療、土砂災害指定危険区域の全戸訪問に携わるなどの活動に参加しました。
印象的な出来事として、避難所生活を余儀なくされている被災者の方々のプライバシーが守られるよう、人道支援の現場で活動するNGOが最低限守らなければならない指標をもとに計画を立案しました。しかし、間仕切りを使用した区分けが良かったと話される被災者と、それが不要と話される被災者に分かれるなど、集落ごとのコミュニティーに差がありました。一概に、指標どおりに計画が遂行できないことに驚くとともに、日本国内の災害支援に今後生かされなければならない出来事であったと実感しました。
今回の活動にあたっては当初より阿蘇市の避難所運営を担う「阿蘇市ほけん課」、保健師の負担軽減を目標とし、現地に参集した医療支援チームのコーディネート、避難所の集約移設や、医療衛生各種マニュアルの作成、一部地域の全戸訪問実施などこれまでの災害支援医療チームの枠組みを超えた活動が展開しました。
行政担当者や保健師もまた被災者であり、彼らの負担を軽減できるようなシステムの構築、彼らの勤務の補助を行うなど、被災者、被災地域の早期の復興をめざすことを目的としているHuMAに、杏林大学医学部付属杉並病院として人的派遣が行えるよう実践的な取り組みを行っております。
トルコ・シリア地震 国際緊急援助隊での活動
2023年2月、トルコ南東部を中心とした地震が発生し、最大震度7を2回記録しました。トルコ政府の要請を受けて、外務省は「国際緊急援助隊医療チーム」を、トルコとシリアの国境沿いの町、ガジアンテップ県へ派遣しました。夜間はマイナス10℃近くまで冷え込む環境での活動でしたが、国際社会に暮らす一員として、当院では国際災害医療支援活動を実践しています。
令和6年 能登半島地震 日本DMATロジスティックチームでの活動
2024年1月1日午後、石川県能登半島地方で震度7の地震が観測され、大きな被害が発生しました。石川県より東京都を通じ「日本DMATロジスティックチーム」の派遣要請があり、能登保健医療福祉調整本部と石川県庁保健医療福祉調整本部での本部支援活動を行いました。
主に調整本部内での活動ですが、各県から参集されるDrヘリや消防ヘリ、自衛隊機で到着した傷病者の陸送支援や、緊急消防援助隊への搬送要請を調整しました。
当院で行われる日常の調整技術を、社会へ還元する国内災害医療にも役立てています。