「現代社会と観光ホスピタリティ」―「産業観光」という取り組み ゲスト講師:能作千春氏

観光交流文化学科1年生の専門必修授業「現代社会と観光ホスピタリティ」は、実社会における観光ホスピタリティの接地面の豊かさを学ぶことを目的としています。いわゆる「観光産業」とは呼称されない業界でありながら、観光と深く関わり活躍される実務家を隔週でゲストにお呼びする授業、その翌週には学生同士で関連のテーマを議論します。
第13回のゲストには、「株式会社 能作」の代表取締役社長・能作千春様をお招きし、産業観光を行うきっかけ、鋳物の魅力を伝えるためにどのような取り組みをされているかお話を伺いました。能作様は、富山県高岡市にある鋳物メーカーですが、産業の魅力を伝えるために工場見学、鋳物製作体験、カフェ、ブライダルなど「モノづくり」だけではなく、「コトづくり」も手掛けていらっしゃいます。メーカーの工場が、なぜ年間13万人もの観光客の訪れる場所となったのか、能作様の取り組みから「産業観光」の可能性について学びました。



翌週は、産業観光が生産者や地域にもたらす影響や意義についてディスカッションをしました。以下はゲスト講演後にディスカッションを終えた、学生の感想です。
「今回の講話を踏まえて考えたことは、観光産業を考える上ではどうしても企業側の利益を優先してしまいそうだが、お客様を想っての観光施設の展開や行動の方が大切なのだと考えた。能作さん自身も工場以外の事業で、自分が挑戦したいこととお客様に喜んでもらえることどちらも考えた上で商品として実現させていて、私自身も自分が何を一番大切にして働きたいのかを考える良い機会になった。」
「世間一般の常識や価値観に捉われることなく、様々な事業に積極的に挑戦していく能作さんの行動力に対して、非常に感銘を受けました。(中略)
能作の工場はすべての年齢層をターゲットとした施設づくりで、誰も飽きさせないような工夫がなされており、それぞれの求めるニーズや楽しみ方の違いなど観光客側の心理を理解したうえで、生産者側にも少なからずメリットがある観光施設の在り方は、私にとって非常に壮大であり斬新な考え方だったので面白いと感じました。」
担当教員:観光交流文化学科 准教授 赤嶺 恵理
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