「福祉観光論」で元パラリンピアンのゲスト講義

観光交流文化学科の専門科目「福祉観光論」は、高齢や障がい等の有無にかかわらず、すべての人が安心して楽しめる旅行であるユニバーサルツーリズムの現状と課題を学んだうえで、オリジナルのユニバーサルツアーを提案することを目標としています。
第5回の福祉観光論では、元パラリンピック選手(車いす陸上)、現在、千葉義塾インテグレーテッドアカデミー代表の千葉 祗暉様をゲスト講師としてお迎えし、車いすユーザー当事者のお立場から日本のバリフリーの現状と課題についてお話いただきました。
これまでの授業で、実際に車いすを用いて、車いすの体験とサポート方法の演習を行いましたが、当事者の方が日常生活の場でバリアフリーに対してどのようなことを求めていらっしゃるか、より具体的に知ることができました。
履修者の感想を一部紹介します。
「率直な言葉のひとつひとつに、千葉さんの強さや優しさがにじんでいて、気づいたら自分自身のこれまでの態度や考え方を見つめ直していました。今まで障がいのある方との関わり方を考えすぎてしまうことがあったのですが、障がいについて知識がないことが、相手との間に無意識の距離を生んでしまっていたことを実感しました。“どう手伝えばいいか”“声をかけるタイミングはどうか”といった具体的な行動を学ぶ機会は、誰にとっても必要不可欠であり、社会全体で共有されるべきものだと強く感じました。」
「講義を受ける前までは、日本=親切というイメージを持っていました。日本を訪れる外国人の方もそういったイメージを持ってくれている人が多い印象でした。しかし今回の講義を通して社会的立場が弱い方に対してのサポート力は決して高いものではないことを実感しました。日本人の多くは周りの目を気にして、自分がその場でやるべきことが分かっていても行動に移せなかったり、そもそも正しい知識がしっかりと身についていなかったり、自分に対しての周りを見る目ばかり気にして実際の周りの状況を把握する力が低いことが分かりました。」
担当教員:赤嶺恵理 准教授
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