将来的に母親を介護しようとする意識の高さには,青年期の娘からみた母娘関係が影響していることを作業療法学専攻の鈴木優喜子先生が発見しました。
2024年06月13日
母親の介護に対する娘の意識 ― 青年期の母娘関係が与える影響 ―
筆頭・責任著者 鈴木 優喜子
(保健学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 講師)
概要
将来的に母親を介護しようとする意識の高さには,青年期の娘からみた母娘関係が影響していることを発見しました。親子関係の評価尺度を使用して質問紙調査を実施し,parent-child relationship scale の81項目を因子分析した結果,青年期の娘からみた母娘関係は「子が親から信頼・承認されている関係」「親が子と手を切る関係」「親が子を危険から守る関係」の3因子構造を仮定したモデルで妥当な適合度が認められました。このなかでも,母親介護に対する意識と関連がみられたのは「親が子と手を切る関係」でした。将来的に母親を介護しようとする意識には,青年期の娘からみた母親との関係が関連しており,母親から突き放されている関係であると捉えている娘は,将来的に母親を介護しようとする意識が低くなることが明らかとなりました。この研究成果は,家族介護が中心である我が国における介護者支援への有用な情報であり,早期介入が必要な介護者の選定など,介護者支援のための一助となることが期待できるものです。なお,本研究成果はJournal of Human Environmental Studies誌の電子版に,2024年4月2日に先行公開されました。
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