第10回日本呼吸理学療法学会において、保健学研究科リハビリテーション科学分野博士前期課程2年生宮原拓哉さんが学術奨励賞(若手研究部門)を受賞しました

2024年9月7日,8日に新潟市朱鷺メッセで開催された第10回日本呼吸理学療法学会において、ノミネートに残った優秀6演題の中から、大学院保健学研究科リハビリテーション科学分野博士前期課程2年生の宮原拓哉さんが学術奨励賞(若手研究部門)を受賞しました。宮原さんは木村雅彦教授の指導のもと、多施設共同研究で蓄積された国内の急性期間質性肺疾患患者に対する臨床的背景因子および理学療法評価とその後の生命予後についての研究を行い、本学会において90題あまりの中から優秀演題審査セッションに選出され、発表と審査員による審査の結果、本賞の受賞に至りました。
研究の演題タイトルは「間質性肺疾患患者における入院時の栄養状態は生命予後に関連する」です。近年急速に増加している間質性肺疾患患者について、急性呼吸不全を呈してICUに入室したところから理学療法士が評価介入を行っている先進的な多施設のネットワークを構築し、症例登録によって得られた貴重なデータから、理学療法の中心的な関心領域である運動機能とその基盤となる栄養状態に着目した研究ですが、今回はそれらが生存というハードエンドポイントに関連することを多様な解析を用いて明らかにし、報告しました。
受賞した宮原さんからは次のようなコメントが寄せられています。
「この度は第10回日本呼吸理学療法学会において、奨励賞(若手研究部門)という私には過分な賞をいただき、大変光栄に思っております。このような栄誉ある賞をいただくことができたのも、日頃より多くのご指導をいただいております木村雅彦教授と共同研究施設の先生がたのおかげであり、心から感謝しております。本邦における間質性肺疾患の有病率が増加傾向にある一方で、急性期理学療法の効果は明らかでなく、エビデンスを構築していく必要があると考えておりますので、今回の受賞に満足せず今後もさらに臨床と研究に精進し、一人でも多くの患者さんに貢献できるよう努めて参りたいと思います。」
宮原さんは本学理学療法学科(現リハビリテーション学科理学療法学専攻)を卒業後、三井記念病院リハビリテーション部に勤務しながら臨床研究を行い、大学院に社会人進学し、今回はその研究成果の発表内容が高く評価されました。同じ研究グループからもう1題も優秀演題にノミネートを果たしており、また更に全国へと研究ネットワークの拡大を図って理学療法による社会貢献を進める予定です。今後のますますの活躍を期待しています。

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