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臨床検査技術学科卒業生で大学院博士前期課程に在籍する水野秀一さんの研究が国際誌に掲載

2025年01月29日

保健学部臨床検査技術学科卒業生で大学院保健学研究科博士前期課程に在籍する水野秀一さん(指導教員:大河戸 光章 准教授)の修士論文の一部がJournal of Medical Virology (2023 Journal Impact Factor: 6.8)に掲載されました。論文タイトルは「Vacuolated parabasal cells in Papanicolaou smears are cellular changes caused by human papillomavirus 16 infection」です。

子宮頸がんは、13種類のハイリスク型Human papillomavirus (HPV)のうち、16型感染よって高率に発症することが知られています。しかしHPV16型感染による細胞変化やウイルス産生の形態はこれまで不明でした。水野さんは細胞診標本上の空胞化した子宮頸部小型扁平上皮細胞(長径約20μm)を23Gの注射針用いて光学顕微鏡下で単離し、1細胞のウイルス定量に世界で初めて成功しました。この研究成果によりHPV16型によるウイルス産生の形態が明らかになり、細胞診検査によって癌化率の高い女性を的確に選別できるようになることが期待されます。

水野さんは、「日本でHPVワクチンの接種が再開されましたが、子宮頸がん死亡率が非常に高く危機的状態なので、細胞診で前がん病変を検出する精度を高めていく努力は今後も続けるべきであると思います。本研究では標本上の1細胞に感染したのウイルス定量という初の試みに挑戦しました。初めは失敗ばかりで落ち込むことも多々ありましたが、日々実験をする中で工夫を繰り返すことで、本成果に繋がりました。本研究で得られた知見が細胞診の精度向上に貢献できたら幸いです。」と、述べています。

論文掲載URL

https://doi.org/10.1002/jmv.70191

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