中竹 俊彦

 リンパ球を追う(シリーズ100リンパ球の世界(中竹俊彦 2007)(I)-1-1.リンパ球と核小体

リンパ球の世界(I)

  ‐リンパ球の核心に触れる‐

                            杏林大学保健学部

                           臨床血液学 中竹 俊彦

1−1.リンパ球と核小体

 末梢血リンパ球は、核小体が普通染色標本(Giemsa染色など)で見える場合(通常では見えても1個)と、見えない場合とがあります。

 前者(見える場合)はリンパ球の核の状態からみて活動状態、後者は休止期です。しかし、核小体染色を施してみて初めて核小体は明瞭に確認できますが、普通染色では判然としません。

 なぜなら、核小体は境界線(限界膜)を隔てて存在するのではなく、核小体の縁取りは周りにクロマチンの凝集塊があるためで、核全体に粗大なクロマチン凝集塊が多いと目立たず、判然としないのです。

 また、核小体部分の塩基好性が強いと見分けやすいのです。教科書では普通染色標本でリンパ球に核小体が一般的にあるとは記述してありませんが、電子顕微鏡による解説書では核小体が1個あるという記述が普通です。

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 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

  (頒布いたします)

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