中竹俊彦 リンパ球の世界(IV)-リンパ球形態の各部の意味(2007)-5.リンパ球の細胞質辺縁の形態変化

リンパ球の世界(IV)

 リンパ球形態の各部の意味

5.リンパ球の細胞質辺縁の形態変化

                          杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦

 リンパ球が細胞運動する時の形態は、従来から細胞質辺縁の形態変化として手鏡様の形態変化が特徴とみられています。ときには、紡錘形です。リンパ球は血中で活性化されると血中から組織へ、またはリンパ節へ移動します。移動に際しては血管系から出なければならず、毛細血管内皮細胞の間を通過する必要があります。

 リンパ球が内皮細胞へ付着し、さらに内皮細胞のすきまを通過するには、細胞どうしの辺縁がまず特定の部位で接着できるように親和性が発揮されます。

 細胞質の突出・突起した部分は、接着分子と呼ばれる異種の細胞どうしが互いに結び合う分子が、活性化された双方の細胞の膜面に出てくる部位と思われます。

 細胞の接着は、接着分子どうしの特異的な親和性に基づくと理解されています。分子レベルでの研究では、活性化リンパ球の膜表面に発現しますので、膜表面の接着分子を検出する技術的な考え方、方法があります。

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 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

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