中竹俊彦 リンパ球の世界(IV)-リンパ球形態の各部の意味(2007)-8.クロマチンの繊細化の意味

リンパ球の世界(4)

 リンパ球形態の各部の意味

8.クロマチンの繊細化の意味

                          杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦

 リンパ球は核全体のクロマチンを繊細化するならば、細胞分裂に向かうと考えられます。大きな染色体(染色体番号が小)は、合成期の後半で倍加することがこれまでに分かっています。核全体のクロマチンが繊細化に及ぶのは、細胞分裂周期のS期に当たります。

 リンパ球への刺激実験では、分裂はしないが核のクロマチンを部分的に繊細化(活性化)しているとみられる場合があります。このときは、リンパ球の機能が活性化され、特定の何種類かのサイトカインを産生するものとみなければならなりません。

 繊細化した部分のクロマチンから遺伝子が活性化され、新規のmRNAが産生されます。また、後述するように別の遺伝子から核小体も形成されます。分子レベルでは前述のとおりです。

<次画面へ移行>

 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

  (頒布いたします)

入手方法の問い合わせ(nakatake@kdt.biglobe.ne.jp)半角アットマークで可能です。