中竹俊彦 リンパ球の世界(IV)-リンパ球形態の各部の意味(2007)-20.ウイルス感染とリンパ球の活性化
リンパ球の世界(IV)
リンパ球形態の各部の意味
20.ウイルス感染とリンパ球の活性化
杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦
ウイルス感染に伴う末梢血リンパ球の反応性は、その反応の行き着くところがリンパ球の活性化現象です。まれには細胞分裂に至るようです。
確かな観察力で活性化リンパ球が多数みられる症例は、ヘモグラムの全体像や臨床所見にもウイルスが原因らしい整合性があるとなれば、ウイルス関連の検査が必要になります。
標本の確実なスクリーニングで裏付があれば、ウイルス関係の検査も早い時期に実施できることになります。
例えばEBVを例にとると、現在はEBV感染Bリンパ球を人工的に準備することもできる時代です。厳密な意味では、患者の末梢血Bリンパ球を採血で得て、これにEBVを感染させた「細胞株」を準備することもできるのです。
患者の新生Tリンパ球が試験管内で「EBV感染細胞株」を認識できれば、Tリンパ球は活性化されます。その活性化Tリンパ球がEBVに特異的かどうかを知りたいときは、準備した患者末梢血Bリンパ球にEBVを感染させた細胞株を用いるという方法があります。
上記の理論で活性化Tリンパ球がinterferon-γ(IFN-γ)をEBV特異的に産生したことを証明する方法2、3)が、すでに確立され、実施されています。
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体裁
B5版(本文 305頁)
目次(序論・1〜24まで9頁)
索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)
(頒布いたします)
入手方法の問い合わせ(nakatake@kdt.biglobe.ne.jp)半角アットマークで可能です。