リンパ球を追う(シリーズV

リンパ球の世界(V)

 リンパ球系の核小体形成体・AgNOR

     AgNOR染色した画像への解説

2.形質細胞の形態への移行(塩基好性が増加)画像No.006→提示画面2)

                        杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦

 画面中央の細胞は、リンパ球よりも一段と塩基好性が増して、さらに形質細胞の形態に移行しつつあります。AgNORが核小体として融合する前の状態でやや大きく形成され、しかも3箇所に準備されています。やがて、1個に融合していくのが普通です。

 もしもこれら複数の核小体が大きく目立ち、どの細胞にも、いくつも距離を開けて分散したままで経過していくならば、核小体融合の仕組みに機能障害が生じているとみるべきかもしれません。

 形質細胞へ成熟する間には、移行像としての前駆形質細胞の段階にあり、複数の核小体が存在して、免疫グロブリン産生の準備が整うまでの所見と考えられます。

 成熟すると核小体は機能しません。その段階では核小体形成体の遺伝子は不活性化され、粗大クロマチンの中に埋もれていると考えられます。

 

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 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

  (頒布いたします)

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