リンパ球を追う(シリーズV

リンパ球の世界(V)

 リンパ球系の核小体形成体・AgNOR

     AgNOR染色した画像への解説

3.核小体が1個に融合(結果:大型化したAgNORの融合像)画像No.009→提示画像3)

                        杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦

 画面中央の左(細胞質が青色)の細胞は、核小体が1個に融合し、結果として大型化しています。核小体の中央から四方へ十文字の明るい溝があり、4区分された濃い部分は、AgNORの融合像と見られます。

 この時期には、RNA合成がリボソームの増加になって、細胞質の塩基好性の増加に反映されたと考えられます。細胞質の塩基好性は、形質細胞ではほとんどのリボソームが小胞体表面に結合して粗面小胞体の構造になっているはずで、タンパク(正常であれば、免疫グロブリンを、あるいは異常な形質細胞系統ならばMタンパク)を合成します。

 できたタンパクは粗面小胞体内部へ送り込まれ、次いで小胞として切り離されるとゴルジ装置へ送られることになります。ゴルジ装置が肥大・発達して核周明庭(ゴルジ野)の発達・明瞭化に直結し、核を一方へ押しやります。

 その結果、核は本来の機能がほぼ終わり、粗大なクロマチン塊となって濃縮・核も小型化し、細胞質の一方へ移動して、クロマチンの粗大な車輻状化(本によっては、車軸状とも記載)した核が偏在します。

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 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

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