リンパ球を追う(シリーズ500)
リンパ球の世界(5)
‐リンパ球系の核小体形成体・AgNOR‐
AgNOR染色した画像への解説
6.大型の形質細胞(核小体のある2個の分離した核)(画像No.010→提示画像6)
杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦
画面中央の細胞は、健常人でもみられることがある「2核の形質細胞」とみて支障がないものでしょうか? 健常人では、セルサイクルで核が2分裂する際(mitosis:M期)に、正しく同調して、細胞質もともに2分裂するのです。ところが、稀にこのように2核になったとしても、核の濃縮とともに細胞質は萎縮し狭くなって、1個の細胞としての免疫グロブリン産生に抑制がかかり、限界があるでしょう。 しかし、この様に大型の形質細胞が生じて、核小体のある2個の分離した核と、また細胞質も広大となれば、なぜここまで大型化したのかというもう一つの疑問(自問自答)が必然的に生じます。 ここから読み取るべき結論は、正常な形質細胞ではなく、抑制が利かない大型化、核小体の活動持続、細胞質の拡大などから「自律的増殖」すなわち、「骨髄腫細胞」としての形態変化だと指摘しなければなりません。 これらの2核化した異常な形質細胞のほかにも基準範囲の3倍以上もの形質細胞絶対数増加があれば、その他の臨床検査所見との整合性が重要です。 |
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体裁
B5版(本文 305頁)
目次(序論・1〜24まで9頁)
索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)
(頒布いたします)
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