重要なポイント(シリーズ630-1-4.NAP

 

詳細解説・特殊染色の方法とその読み方」

                 杏林大学保健学部 臨床血液学(教授) 中竹 俊彦

 この解説の次に,パワーポイントで特殊染色は(シリーズ630)に提示しています。

シリーズ630-1-4

IV.アルカリホスファターゼ染色(ALP) 

IV-1.原理

 アルカリホスファターゼalkaline phosphatase(ALP)は血清中,胆汁中にもありますが,細胞では主として成熟好中球の細胞質(マイクロソーム)に含まれ,膜系酵素として膜に結合して供給されてくるものです.好中球アルカリホスファターゼneutrophil alkaline phosphatase(NAP)とも呼ばれ,その活性は各種の病気によって増減します.

 我が国では専ら,朝長法が用いられています.基質として,ナフトールAS-MXホスフェート,ジアゾニウム塩としてファーストブルーRR塩を用い,後者はナフトールと化合して青色のアゾ色素となって発色するのでアゾ色素法と呼ばれます.

 

IV-2.背景

 慢性骨髄性白血病(CML)は陽性度,陽性率とも染色性は弱く陽性スコアーも低い点は,類白血病反応の高値と病態の違いが好対照です.また,発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)で低い点は,再生不良性貧血の高値と好対照です.細菌感染症では活性が高いものです.一般に女性で男性よりも高値を示すので、基準値を性別に設定されています.わが国ではほとんどの施設で朝長法に基づく市販のキットが用いられているようで,反応基質が限定されている関係もあって,染色方法の優劣の問題点は感じられないようです.

 

IV-3.方法(「実技編(パワーポイントで提示)」をご参照ください) 

(参考資料)

1.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(1)

2.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(2)‐リンパ球を追う‐

3.中竹俊彦:マルクマスター,ブラストマスター(ともに,CD-ROM教材)

 

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 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

  (頒布いたします)

入手方法の問い合わせ( nakatake@kdt.biglobe.ne.jp )半角アットマークで可能です。