重要なポイント(シリーズ630-1-5)
「解説・特殊染色の方法とその読み方」
杏林大学保健学部 臨床血液学(教授) 中竹 俊彦
この解説の次に,パワーポイントで特殊染色は(シリーズ630)に提示しています。
シリーズ630-1-5
V.エステラーゼ染色
V-1.原理
エステラーゼは,反応に用いる基質により,アセテートやブチレートのような短鎖のエステルを分解する非特異的エステラーゼと,ナフトールAS-Dクロロアセテートのような長鎖のエステルを分解する特異的エステラーゼとに分けられています.両者は白血球の系統で染色性が著しく異なり,特に単球系と好中球系が対照的な染色性を示すことが特徴的です.単球系の非特異的エステラーゼ陽性像は,反応液にフッ化ナトリウム(NaF)を添加すると,ほとんど完全に抑制されます.この性質を使い分けると単球,顆粒球,リンパ球の系統鑑別に役立ちます.
V-2.背景
顆粒球系の白血病細胞(FAB M2,M3 variant,M4)では,幼若な白血病細胞(特異的エステラーゼ陽性)が,また単球系白血病細胞(FAB M5a,M5b)は非特異的エステラーゼ陽性が鑑別に有用です.ここでも発色基質が限定されているので煩わしさは少ないのですが,染色キットを用いるほうが経済性や実用的である点から汎用されています.
V-3.方法(「実技編(パワーポイントで提示)」をご参照ください)
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(参考資料)
1.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(1)
2.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(2)‐リンパ球を追う‐
3.中竹俊彦:マルクマスター,ブラストマスター(ともに,CD-ROM教材)
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体裁
B5版(本文 305頁)
目次(序論・1〜24まで9頁)
索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)
(頒布いたします)
入手方法の問い合わせ( nakatake@kdt.biglobe.ne.jp )半角アットマークで可能です。