重要なポイント(シリーズ620-1-15)
‐赤血球,好中球,血小板の形態から骨髄像までを見通す予備知識‐
「重要なポイントではどのように細胞をみたり考えたりするか」
杏林大学保健学部 臨床血液学(教授) 中竹 俊彦
この解説の次に,パワーポイント(シリーズ620)をご参照ください.特殊染色は(シリーズ630)に提示しています。
シリーズ620-1-15
IV-2.特定の細胞の異常(その数値や特異形態)に注目する
正常な細胞群のバランスは,病的な背景によってさまざまに変化しますが,そこで突出した数値の細胞群(抑制像はまず,貯留となってみえる)が派生するのは,特に異常所見ですから報告の要点(ポイント)になります.
問題点は白血病だとするならば,それら一群の細胞が,最も正常な形態学的に近似しているのは「どの段階にあるか」によって,血液学の領域では白血病の病名が決まってきた経緯があります.
急性前骨髄球性白血病(APL:FAB M3)や急性単球性白血病(AMoL:FAB M5)などがその典型例でしょう.問題は形態学的に特徴が少ないか,特殊染色を施さないと特性がつかめないような場合です.正常な細胞の形態変動の範囲か,それとも白血病細胞とみるべきかの鑑別が紛らわしいことは異論がないのです.
そこで,「紛らわしい細胞の鑑別」は,最近では「日本検査血液学会HP」や「日本臨床検査技師会」の委員会やシンポジウム企画などで詳細に議論されている時代です.簡単にいうと,正常な細胞形態の範囲を徹底的に学習して,そのイメージに対象とする標的細胞を照らして判断するという「絵合わせ」の基本イメージが大切です.ここでは,前の講演者の阿南健一先生の「紛らわしい細胞」の話題提供に期待しましょう.
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文献
(参考資料)
1.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(1)
2.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(2)‐リンパ球を追う‐
3.中竹俊彦:マルクマスター,ブラストマスター(ともに,CD-ROM教材)
上記の問合せ先:中竹 俊彦
杏林大学保健学部 臨床血液学 中竹俊彦(042-691-0011内線4305,4308)
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体裁
B5版(本文 305頁)
目次(序論・1〜24まで9頁)
索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)
(頒布いたします)
入手方法の問い合わせ( nakatake@kdt.biglobe.ne.jp )半角アットマークで可能です。