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理事長あいさつ

前理事長あいさつ ― PPSA-JCのこれまでを振り返る〜理事長交代にあたって〜

 今年の3月末をもって、昭和大学を無事に定年退職した。これを機会にPPSA-JCの理事長を杏林大学耳鼻咽喉科・頭頸科の甲能直幸教授にバトンタッチした。昭和大学での15年あまり、そしてPPSA-JCの理事長としての10年間、ご支援、ご指導いただいたことを心から感謝申し上げます。
 PPSA-JCとの出会いは昭和大学外科に赴任してまもなくの頃であった。関東地区の外科集談会で第1回のPPSA-JCを1968年に東京で開催した、和田壽郎教授との出会いがきっかけである。先生は胸部心臓血管外科医として高名であり、私は当然、存じ上げていたが、和田先生は小生を知る由もなかった。”今度、昭和大学の外科教授として北海道から来ました、草野です。先生と同じ北大出身です”とご挨拶申し上げてから、早14〜15年が経つ。それからPPSA-JCの誘いをうけ、直ちに入会してその年の1996年、関西医科大学耳鼻咽喉科の山下教授が主催した済州島での第13回の総会に教室員10名を引き連れて参加した。小さな学会だったが、領域の違う先生方の講演、発表からいわゆる”境界領域の外科会”を学ぶことができ、また、発表が全部英語であるなど、これまで参加した学会と異質な新鮮な印象を私のみならず教室員も受けた。誰しもが、英語で発表したいという気持ちはあるが、なかなか思うようにはしゃべれない。そんな若手外科医にとってこの会はまたとない会であった。質問に答えられず、しどろもどろになる先生も少なくなかったが、発表が終わった後の小さな達成感が顔からにじみ出ていた。このような機会が若い外科医のこれからの国際舞台で活躍するための突破口となっているのではと。
 これまで述べてきたように、異なる領域の外科系の up-date な知識、技術が身につく、国際性が培われるなどの本会の特徴があるが、もう一つ、家族で参加できるという雰囲気がこの会の魅力の一つとなっている。最近では奥様と一緒に参加ということも多くなったが、若い外科医にとって休みは取れない、子供の学校、それとお金の問題でそう家族で学会参加とはいかない。この会は限りなく日本に近い外国で開催することを前提となっており、プログラムも早朝から始め、早めに終え、他領域の先生方、家族同士の交流を図ることも重点を置いてきた。家内は”今年はどこで?”と毎年一緒に行くことを当然と考えている。これまでの当番会長はじめ会員の皆さんのおかげでこれらの目標が十分に達成できている。皆さんの努力の賜物と感謝申し上げたい。
 私が理事長を仰せつかって以来これまで10年間、サイパン(草野 昭和大)、天津(藤原 興生病院)、バリ島(柿田 北里大)、台北(友田 金沢医科大)、ハワイ(吉田 昭和大、新川 新川クリニック)、グアム(浅井 札幌医大)、ケアンズ(河瀬 慶応大)、ヌメア(佐藤 東大和病院)、バンコック(甲能、樋田、井上 杏林大学)で本会が開催された。学会には資金がなく、ほとんど当番世話人にお任せしてしまった。これまでお世話いただいた当番会長の先生方、その教室員あるいは病院の方々のご尽力で、毎回充実した印象に残る楽しい会を開催していただいた。感謝の言葉もございません。改めて御礼申し上げます。
 この度、理事長を甲能直幸教授、そして事務局を同教室の永藤先生に引き継いでいただいた。ご承知の方も多いと思いますが、甲能教授は耳鼻咽喉科、頭頸部外科領域での重鎮で、それこそ脳神経外科との境界領域ともなる頭頸部疾患にに対しても卓越した手術手技の持ち主です。大変温厚とお見受けするが、アカデミックな好奇心も旺盛で、英語も大変流暢で、また、多彩な趣味をお持ちの様であります。理事長としてこの会をさらに発展させていただけるものと会員一同、期待しております。
 ここ数年、外科系の医師が減少傾向であり、難しいとは思うが、本会も若手外科系医師にもっと参加してもらい、われわれも”会員一人が一人の会員を増やす!”という意気込みで、この会をさらに盛り上げていただきたい。今年は鳥取大学耳鼻咽喉科・頭頸科教授の北野先生が香港で、来年は東海大学麻酔科の鈴木教授の当番世話人で本会が開催される。お二人とも非常に仕事を含めアクティブ、エネルギッシュで、香港の会では充実したプログラムが準備されている。皆さんで参加しましょう。非力であったために、会の発展にあまり力になれずじまいであったが、新理事長のもと、本会を”再起動”していただき、外科系の先生方の臨床、研究の意見の交流の場として、さらに発展させていただきたい。会員の皆さまのさらなるご指導、ご支援をお願い申し上げます。香港で会いましょう!
長い間、ありがとうございました。
(※上記は平成21年に発行 PPSA-JC NEWS-LETTER に掲載されたものです)



                                  環太平洋外科系学会日本支部会
                                 前理事長 東旭川病院 草野満夫

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