お知らせ

金田一秀穂名誉教授の講演会を実施 - 2024年度杏林大学公開講演会

 金田一秀穂杏林大学名誉教授による公開講演会が、6月29日(土)に医学部付属杉並病院の多目的ホールで開催されました。
 言語学者である金田一先生は、AIの進化が翻訳や文章作成などにも影響を与えていることに触れながら、「ことばのしていること」と題して、様々な視点から話しました。
 人は、言葉によるコミュニケーションで、正しい表現や理路整然とした説明以上に、言葉の背景や場の空気をつくる“気配”を大切にしているのではないのかと示唆しました。また、松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」を例に、なぜ「古池に」ではなく、「古池や」なのか、五七五の言葉が織りなす俳句の魅力にも触れました。 さらに、老子の思想である「大器晩成」の元の意味とされる「大器免成‐大器はいつになっても完成しない」を紹介しながら、生涯何かを学び続けることの大切さ、面白さなどについても語りました。
 参加者からは、「金田一先生のお話を直接聞くことができて嬉しかったです」、「看護師という仕事柄、心が通うコミュニケーションを意識しているため、“気配”というキーワードが参考になりました」、「生きるヒントを与えてもらった。考えさせられました」、「先生の人柄を含めて、楽しかったです」などの感想が上がりました。


杏林大学では、今後も様々な会場、形式で公開講演会を開催していきます。(一覧はこちら)

【金田一秀穂名誉教授略歴】
言語学者、専門は日本語教育、言語行動、意味論など。
中国 大連外語学院、アメリカ イェール大学、コロンビア大学などで日本語を教える。
1988年 杏林大学外国語学部が開設された年に 本学着任
2019年 杏林大学 特任教授
2022年 杏林大学 名誉教授

2024.7.3 杏林学園広報室