保健学研究科 博士前期課程の大学院生による研究成果論文が海外誌に掲載
保健学研究科 博士前期課程在学中の大学院生による これまでの研究成果が、Wileyの発刊する、British Pharmacological Society の公式ジャーナル「Pharmacology Research & Perspectives」に掲載されました。
珈琲を飲用したときの腹部血流の変化を超音波検査で検討したものです。珈琲は、眠気を抑え、頭痛を和らげるほか、糖尿病や脂肪肝などを予防することが報告されています。珈琲に含まれるカフェインは、未熟児無呼吸発作の治療に用いられることもありますが、副反応として消化管などに血液を送る上腸間膜動脈(superior mesenteric artery, SMA)の血流が減少します。しかし、成人が珈琲を飲用するだけで、腹部の血流が変わるのか明らかではありませんでした。一方、日常的にカフェインを摂る量が多いと、その作用が弱まることが知られています。そこで、珈琲を飲用したときの成人の腹部血流の変化を検討するとともに、日常的なカフェイン摂取量による影響について調べました。
その結果、SMAとその後 肝臓へと血液を運ぶ門脈(portal vein, PV)の血流が、珈琲飲用後30分で有意に減少しました。しかし、水を飲んでもこの変化は認められませんでした。一方、日常的にカフェインを摂ることの少ない人たちは、比較的多く摂る人たちよりも、SMAの血流が 珈琲飲用後90分において低値でした。
以上より、珈琲を飲むだけでも成人のSMAとPVにおける血流は減ることが明らかになり、この作用は やはり日常的にカフェインを摂る量が少ない人ほど強く現れました。珈琲飲用後のSMA血流、延いてはPV血流の減少は、これまでメタ解析で明らかになっている「珈琲が脂肪肝を抑制する」機序の一端を担う可能性もあり、とても興味深い知見でした。論文の内容は医療情報サイトでも紹介され、その関心の高さがうかがえます。
【掲載論文】
著者:Owada S, Shibasaki S, Sei Y, Harashima K, Ohnishi H, Watanabe T, Sakata K, Kishino T.
筆頭著者: 大和田 宗資(保健学研究科 – 博士前期課程 [保健学専攻 臨床工学分野])
論文タイトル:Alterations in abdominal blood flows after drinking coffee.
発表雑誌名:Pharmacol Res Perspect. 2026; 14(4): e70296.
doi: 10.1002/prp2.70296. / PMID: 42365534.
論文URL:https://bpspubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/prp2.70296
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[写真:左から] 原島敬一郎 准教授 (臨検)、坂田好美 特任教授 (臨工)、芝﨑翔平 学内講師 (臨検)、大和田宗資 さん(大学院生)、瀬井依子 助教 (臨検)、岸野智則 教授 (臨工)
2026.7.27
杏林大学 保健学部 / 杏林大学大学院 保健学研究科
教授 岸野智則
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