Kyorin Grand Rounds
腸内細菌とともに歩む、健康科学のフロンティア
演者: 鎌田 信彦 先生
Professor, Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Internal Medicine, University of Michigan Medical School, Ann Arbor, USA
Professor, Department of Pathology, University of Michigan Medical School, Ann Arbor, USA
特任教授, 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター
演者紹介
ヒトの体内・体表には、細菌をはじめとする無数の微生物が定着し、宿主との巧妙な共生関係を築いている。なかでも腸内細菌は、宿主にとって必須の役割を担う一方、そのバランスの乱れが炎症性腸疾患をはじめとする様々な疾患の病態に深く関わることが知られている。私たちの研究グループは、ヒト由来腸内細菌検体、ノトバイオートモデル、オルガノイドと細菌の共培養システムなど多様な実験手法を駆使し、腸内細菌を含む共生細菌がいかに乱れ、どのように疾患の発症や進展に寄与するのかを明らかにしてきた。
本セミナーでは、腸内細菌叢の乱れが生じる仕組み、乱れた細菌叢が病気を引き起こすメカニズム、さらにはその乱れを是正することで疾患を治療し得る可能性について、最新の研究成果を紹介する。あわせて、海外留学から海外大学での独立、そして日米二拠点での研究室運営に至るまでの自身の経験も共有し、若手研究者のキャリア形成を考える上での一助としたい。
日程
令和7年11月21日(金)17時30分から
主催
医学部国際化推進委員会、 医学部教員・職員能力開発室、 消化器内科学教室