教授ご挨拶
腎臓は全身疾患の影響を受けやすい臓器であると同時に、心臓をはじめとする全身の臓器にさまざまな影響を及ぼします。一方、関節リウマチをはじめとする膠原病は、関節にとどまらず腎臓や肺などの諸臓器の病変を伴う、免疫系に異常をきたす疾患です。当科は、腎臓内科とリウマチ膠原病内科の二本立てで診療を行っており、特に膠原病や全身性血管炎(ANCA関連血管炎など)に伴う腎病変に関して豊富な診療経験を有しています。
当科の入院・外来患者は疾患の種類が非常に多彩であり、common diseaseからrare diseaseまで幅広く対応しています。腎疾患には、一次性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、膠原病関連腎炎、水・電解質異常、急性腎障害(AKI)や慢性腎臓病(CKD)、透析導入、さらには慢性透析患者の合併症まで多岐にわたります。リウマチ・膠原病においては、全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめ、関節リウマチ、脊椎関節炎、強皮症、ANCA関連血管炎を含む全身性血管炎、皮膚筋炎/多発性筋炎、ベーチェット病などがあります。特にANCA関連血管炎については、当科が日本においていち早くANCA測定を導入した歴史をもつ伝統ある研究室であり、紹介患者が全国から集中しており、現在も多数の患者さんを担当しています。腎・透析センターも当科が運営しており、ICUでの透析サポートに加え、特殊血液浄化療法として血漿交換をはじめとする各種アフェレーシスにも対応可能です。
研究面でも、ANCA 関連血管炎・腎炎とループス腎炎の研究に関しては伝統があり、症例が蓄積されています。腎炎の発症メカニズムに関する基礎研究、ANCA関連血管炎の発症メカニズム関する研究や臨床研究、慢性腎臓病(CKD)の重症化予防や末期腎不全の病態に関する臨床研究も行っています。また、関節リウマチを始めとして各種膠原病や全身性血管炎の早期診断法や最新の治療法に関する研究、掌蹠膿疱症性骨関節炎・乾癬性関節炎などを含む脊椎関節炎の国際的な臨床研究も数多く行っています。
当科への入局をご検討中の先生方、ぜひ私たちと一緒に診療・研究をしてみませんか。腎臓病、リウマチ膠原病、透析・血液浄化療法の各分野において、十分なトレーニングを保証いたします。
腎臓・リウマチ膠原病内科 教授 駒形 嘉紀