第42回 桐朋学園 杏林大学病院内コンサート

作成日時:2009年11月04日

このコンサートは年4回、桐朋学園音楽学部のご厚意により外来棟において、毎回趣向を凝らした内容でご提供いただいております。
10月10日(土)は3連休の1日目でありましたが、多くの入院患者様においでいただき外来棟一階の待合ホールをふんだんに使い、本格的なオペラをご披露いただきました。ご出演の皆様の素晴らしい歌声と演技、そして素晴らしい衣装等、とても繊細な演出に酔いしれた一時間でした。
松田理事長からのアンコールには『乾杯の歌』でお応えいただき、大きな拍手が沸き起こりました。
オペラを初めてご覧になられた患者さんから、『素晴らしいひと時を有難うございました』とお話され、病室に戻っていかれました。1日も早くお元気になられますようお祈りいたします。
次回開催は12月の予定です。多くの皆様のお越しをお待ちしております。
なお、桐朋学園のオペラコンサートが11月7日(土)、8日(日)に新宿文化センターで実施されるとのことです。お時間がありましたら、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。               病院庶務課

ヨハン・シュトラウス作曲  オペレッタ「こうもり」 抜粋 (日本語訳)
音楽指導・演出・指揮→加賀清孝(本学声楽教授)  ピアノ:大矢絢子、荻原萌子(嘱託演奏員)

出演→桐朋学園大学音楽学部声楽科研究生

<1幕>…財産家アイゼンシュタイン氏の邸宅
1,前奏
2,三重唱「何てひっどい弁護士なんだ…」………………アイゼンシュタイン、ブリント、ロザリンデ
3,三重唱「グラスを上げて…」……………………………アルフレード、ロザリンデ、フランク
<2幕>…オルロフスキー皇の舞踏会場
4,前奏
5,クプレ「僕が呼び招くお客達は…」………………………オルロフスキー、オスカル
6,クプレ「侯爵様…」………………………………………アデーレ
7,チャールダッシュ「故郷の空をのぞめば…」………………ロザリンデ
8,乾杯の歌「酒を飲む時ゃ…」……………………………オルロフスキー、アデーレ、アイゼンシュタイン、全員
9,ドゥイドゥー「我ら手を取り、お互いをドゥー(※)と呼んで…」…ファルケ、アデーレ、アイゼンシュタイン、
オルロフスキー、フランク、イダ、全員
(※ドゥー(Du)…相手を「きみ」と親しく呼ぶドイツ語)
<3幕>…フランクの勤め先の監獄
10,クプレ「ひなびた姿で…」…………………………………アデーレ、フランク、イダ
11,三重唱「気がかりだわ…」………………………………ロザリンデ、アルフレード、アイゼンシュタイン
12,フィナーレ「おおこうもり、そろそろ許しましょ…」………アイゼンシュタイン、ファルケ、オルロフスキー
オスカル、アデーレ、アルフレード、ロザリンデ、フランク、全員

【第1幕】
 時は1874年の大晦日、オーストリアの温泉地イシュル。以前、仮装舞踏会の帰り、アイゼンシュタインは酔っぱらった友人ファルケ博士を「こうもり姿」のまま道ばたに置き去りにした。以来、ファルケはみんなから「こうもり博士」と呼ばれ、いつかアイゼンシュタインに仕返しをしたいと考えていた。この日、アイゼンシュタインは公務員を侮辱した罪で、短期間刑務所に入らなければならなくなった。そこへファルケ博士が。楽しいパーティがあるから刑務所に入る前にこっそり行こうと誘います。喜んでパーティに出かけた後、家に残された妻ロザリンデのところに、元恋人のアルフレードがやって来ます。ロザリンデが迷惑がるのをよそに、アルフレードがまるで本当の夫のように振る舞っていると、ちょうどそこに看守長フランクがアイゼンシュタインを迎えに来ました。アルフレードは今更、夫でないとは言えずに刑務所に連行されます。
 あらすじ

【第2幕】
 その晩、ロシアの大貴族オルロフスキー王子のパーティにアイゼンシュタインが来てみると、なぜか自分の家の女中アデーレに似た女性を見かけた。おかしいなと思いつつも、仮面を付けた美しいハンガリーの貴婦人を見つけ、夢中になって口説こうとします。実はこの貴婦人の正体は彼の妻ロザリンデ。すべてはファルケ博士の仕組んだワナでした。ロザリンデは口説かれるふりをしながら、アイゼンシュタインの懐中時計を奪います。これが動かぬ証拠となるのです。
 
【第3幕】
 元日の早朝。酔いも残るアイゼンシュタインが刑務所に出頭してみると、すでに見知らぬ男(つまりアルフレード)が自分の代わりに牢屋に入っているではありませんか。アイゼンシュタインは弁護士に変装し様子を伺っていると、そこにロザリンデがやって来て、アルフレードを牢から出してほしいとアイゼンシュタイン扮する弁護士に相談を始めます。怒ったアイゼンシュタインが正体を明かし、妻を責め立てると、ロザリンデは昨夜奪った彼の懐中時計を見せます。頭を抱えるアイゼンシュタイン。そこへファルケ博士がパーティの参加者とともに現れ、すべては自分の仕組んだ芝居だったのだよ、と種明かしをしたのでした。