病院・診療科について整形外科・高橋雅人助教が学術集会奨励賞を受賞
作成日時 2011年02月14日
頚椎症性筋萎縮症は、突然肩が上がらなくなるなどの感覚障害を伴わない上肢の筋力低下と筋萎縮を特徴とする疾患ですが、病態が未だ明確ではなく60%は自然に回復しているという報告もあることから、直ちに手術するのかあるいは薬物療法や理学療法などの保存療法を行ってまずは経過観察するのかといった治療方針については施設によって様々なのが実情です。
高橋助教はこれまでの知見や当院での治療実績を基に研究を行った結果、脊髄造影後のCT検査で脊髄に圧迫がみられる例は経過をみても回復しないことが多く手術の必要があること、脊髄から出る神経根という細い神経に圧迫がみられる場合は、手術をしなくても回復することが多いためさらに経過観察を続ければよいことを突き止めました。
この研究成果は脊髄造影後のCT検査がその後の治療方針を決める上での大きな判断材料になることを示したものとして高く評価され、今回の受賞となったものです。
高橋助教は「この名誉ある賞を受賞できたのは、整形外科学教室の里見和彦教授、市村正一教授、望月一男教授をはじめ医局員の皆様のご指導の賜物と感謝しております」と話しています。

