病院・診療科について当院スタッフが災害実践教育研修を行いました

作成日時 2012年02月21日



 当院に勤務する医師・看護師(助産師)・コメディカル(臨床工学技士・薬剤師・事務員)を対象に、災害実践教育研修が2月18日(土)、看護専門学校校舎で行われました。

 

 この研修は、災害時の医療支援について、災害の定義、準備・対応・回復・予防の災害サイクル、トリアージといったことを学び、医療救護活動のシミュレーショントレーニングを通じて、適切な対応ができるよう訓練を行ったものです。

 研修のはじめに、甲能直幸病院長から挨拶があり、「昨年の3月11日に発生した東日本大震災では、当院スタッフの対応は迅速かつ的確なもので、たいへん優秀であるとあらためて実感しましたが、首都直下型大地震がまた4年以内に高い確率で起こるという予測もなされています。今回の研修では、今後起こりうる災害時に備えて、有意義なものとなるよう期待します」と述べました。

 午前中の講義では、災害概論として都立広尾病院副院長の佐々木勝先生から、医療支援の基本、トリアージタグの具体的記載法、現場のPrimary Survey等に関することが、また当院高度救命救急センター長の山口芳裕教授から、放射線・核物質や生物兵器・化学兵器を使用したテロ災害への対応について等、3時間あまりにわたって解説がありました。

 午後は実技が中心となり、参加者は救護する側、される側両方の役割をシミュレーションとして行い、災害現場の負傷者の重症の程度を見分けるトリアージの訓練を重ねました。さらに、発災現場での応急手当や、救護所内あるいは搬送においての診療内容訓練、無線を活用した災害に関する情報伝達、CSM(Confined Space Medicine - 狭いところに閉じこめられた患者さんに対する医療)の基礎について等多岐にわたって訓練が行われました。

 

 研修は丸一日にも及び、熱のこもったトレーニングが続けられました。参加者からは、緊迫した場面でのトリアージタグの記入が難しいとの声や、多数発生する傷病者を前に、状況に応じて変化する重症度を把握することの重要性が理解できたといった感想が聞かれました。