病院・診療科について2013年体験ボランティアを終了して
作成日時 2013年12月09日
この活動は、ボランティア委員会委員が中心となり、ボランティア活動を通して人との触れ合い、コミュニケーションについて学ぶことができるよう支援を行いました。
活動最終日の振り返りの中で感想を聞いたところ、参加してよかったとの感想を多く頂き、具体的には、「一人ひとりの患者さんに気を配り安全かつスムーズにご案内することのむずかしさを実感した。大変だったがとてもやりがいのある経験をさせて頂きました。」「挨拶を工夫することでより多くの挨拶が返ってくることがわかった。」「自分を成長させることができた。」「様々な体験そして、社会で生きていくことの一部を学ぶことができてとても有意義な経験でした。」等。又、当院から「体験ボランティア修了証」を一人ひとりに手渡し、夏体験ボランティアは無事終了しました。
参加された皆様の今後のご活躍を心より祈念いたします。


参加者からの感想文を紹介します。
《ボランティアから学ぶこと》 高校3年 男子
私が病院に入ってまず思ったことは不安や痛みを抱えている患者さんが大勢通院されているんだということでした。私は主に病院入口での誘導をさせていただきましたが、私自身これまで杏林大学病院で診てもらうことがなかったので患者さんに何が何処にあるか尋ねられた時にすぐ受け答えすることが難しかった。残念ながらよく通院される方のほうが病院のシステムに詳しかったかも知れません。
その中で自分が患者さんの立場に立ってみてできることは何なのかと考えてみました。そして見つけた答えは、相手の目を見て笑顔でしっかりと挨拶をすることです。まずは、きちんとお辞儀をして相手の心に届くよう大きな声ではっきり挨拶することに撤しました。すると、笑顔で挨拶を返してくれたりわざわざ振り返って会釈をしてくれた患者さんがとても多かったので、私はとても清々しい気持ちになりました。「こんにちは」や「お大事に」の一言でお互いがこんなに晴れやかな気持ちになれることは素晴らしいことだと思いました。また反省すべき点もあり、特にエレベーター付近の混雑時における扉の開閉作業の時に、自分にはまだまだ素早い判断力や適切な行動力が欠けていると実感しました。その時何をすれば良かったのか、どう声を掛ければ良かったと考えさせられた自分にとって良い機会であり、それは今後の課題ともなりました。
私は将来薬剤師を目指しているので、このボランティアでの経験は机上では学べない患者さんとコミュニケーションをとるということを実践できた本当に貴重な経験となりました。最終日には院内薬局にまで案内、見学させていただいて大学病院の最新設備にはとても驚かされました。また、薬剤師さんが働く現場を目のあたりにできたので、一層薬剤師となるための勉強意欲が増してきました。
わずか三日間のボランティアでしたが、その中で積極的に行動することや患者さんの気持ちを理解し臨機応変に対応すること、そして挨拶や笑顔がとても大切だということを学ぶことができました。一日一日の出来事が自分の夢を実現させるための貴重な財産となりました。色々と細かく指導して下さった皆さん、三日間本当にありがとうございました。
《ボランティア体験から思う「支えあう社会」》 高校2年 女子
夏休みの間、「夏!体験ボランティア2013 in みたか」に参加させてもらい、杏林大学医学部付属病院でボランティア活動を体験しました。まず、杏林大学医学部付属病院、中でも、患者サービス室の方々に、ボランティアを体験できるこの貴重な機会を与えてくださったことに深く感謝します。
ボランティア活動に参加しようと思ったきっかけは、学校での社会科の勉強でした。講義の一環として「大きい政府か小さい政府か」をテーマにしたディベートがありました。私はたまたま「小さい政府がいい。」という立場でディベートに参加することになり、小さい政府を実現するための条件を調べました。その一つは「コミュニティの自立」でした。つまり、同じ街に住んでいる人同士が互いに支えあいながら、政府にできるだけ頼らずに生活していくことです。思うには、自分が今日まで成長できたのも、親はもちろん、近所の人々、学校の先生や職員など多くの方々の支えがあったおかげです。その恩返しとして自分に何ができるかを探しているうちに、今回のボランティア体験がありました。
今回の体験を通していろいろなことを経験し、たくさん勉強できました。
まず、支えあうことの難しさを認識しました。病院に来られる患者さんを支えようと意気込んでボランティア体験に参加したのですが、二回にもわたる事前説明会での指導のときも、いざ現場に立って戸惑う場面に出会ったときも、結局、患者サービス室の方に頼ることになり、再び自分が支えられる側になってしましました。つまり、誰かを支えようとすれば、何よりも自分がその能力を持ち、自立していることが必要だとわかりました。自分にはその能力はまだないと知り、これからの勉強・成長の中でぜひそのような能力を身につけていきたいと思います。
つぎに、支えあう社会の意味を考えさせられました。大したこともしてあげていないのに、「ありがとう。」をたくさん言われました。大変うれしかったです。大げさかもしれませんが、支えあう社会では、支える側も支えられる側もともに幸せになれることを実感しました。まさに、情けは人のためならずです。
さらに、今回のボランティア体験を通して、支えあうことの本質を垣間見ました。態度からはっきりとわかるように他人の手助けを拒絶している患者さんが少なくありませんでした。そういうときには、その態度に敬意を表して何もせずに見守ってあげることが正解とわかりました。支えあう社会では、互いに尊敬しあう心が大変重要になるような気がしました。
以上のように、たくさんのことを勉強できたボランティア体験でした。この機会を作ってくださった杏林大学医学部付属病院に重ねて感謝するとともに、そこでお仕事をしている皆さんのように、人の役に立つ大人になりたいとあらためて思いました。