病院病理部
病院病理部について
病院病理部は4名の臨床検査技師(全員細胞検査士有資格者)により構成されています。当部門では、病棟、外来、手術室で採取・摘出された組織検体及び細胞検体から、病理診断に必要な標本を作製します。
われわれ臨床検査技師は、病理医が診断に不可欠なガラス標本の作製、細胞診検査のスクリーニング、及び解剖における病理医の補助等を生業としています。 正しい診断に結び付けられるように、病理診断科・病院病理部の三ヵ条を常に意識し、病理医と連携しスタッフ全員で、日々業務に取り組んでいます。
業務内容
組織検査標本作製
患者さんから採られた小さな組織(内視鏡検体等)・手術で摘出された大きな臓器は、一旦、ホルマリンで“固定”されます。それらをガラス標本にするための一連の作業を行い、出来上がったガラス標本を病理医へ提出します。
術中迅速診断用標本作製
手術中に摘出した組織が、悪性か否か、または取りきれているかどうか等の診断を受けるために手術室から検体が運び込まれます。この検体を液体窒素で凍結し、専用の機器で薄切(スライス)した後、スライドガラスに乗せ染色を行い、短時間で病理医へ提出します。
細胞診検査
この検査には、尿、喀痰、子宮頸部・体部などの剥離細胞診と、乳腺、甲状腺、肺などの腫瘍本体を針で刺して採取する穿刺吸引細胞診があります。
外来や病棟での穿刺吸引細胞診の際には、検査技師がベッドサイドまで赴き、医師が採取した細胞診検体を適切に処理する補助を行います。最近では、超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)も行っており、同時に採取される組織検査の補助的診断を担っています。
スライドガラス上で塗抹・固定された検体をパパニコロウ染色と呼ばれる細胞診専用の染色を施した後、細胞検査士が顕微鏡でスクリーニング(ふるい分け)を行い、問題となる細胞(異型細胞)が見つかった場合は、病理医に診断して頂きます。
検査室設備
切出し室
ホルマリン対策として局所排気装置を設置し作業者の曝露防止対策を行っています。年2回の作業環境設定では、第I管理区分で良好な環境を維持しています。
薄切・染色コーナー
自動染色・封入機で業務の効率化を図っています。