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長澤俊彦学長告辞
日本語研修課程の修了おめでとうございます。
1年間うれしいことや悲しいこと、いろいろあったと思います。ともかく今日修了証書を手にされたことは本当にお目でたいことだと思います。みなさん自身が頑張っただけでなく、先生方の指導もよかったということだと思います。
修了されたあと、杏林の学部を受験される方などさらに勉強を続ける人も多いかと思いますが、是非頑張って多くの方がこの先日本に、あるいは杏林に残って勉強を続けていただければうれしく思います。
今朝新聞を読んでいて「惻隠の情」や「寵児」という言葉の意味が気になりました。しかしこのような言葉もすぐ辞書で意味を確認して正確な意味を知りました。だれしもこうやって日本語を勉強することは楽しいことだと思います。もっともっと日本語を勉強して上手になって、それから社会に出て母国と日本との友好関係に尽くしていただきたいと思います。折角1年間日本で日本語を習ったわけですから、これからますます磨きをかけていただきたいと思います。
1年間、異文化の中で苦労して来られたと思いますが、これからも健康に気をつけて
頑張っていただきたいということを申し上げて私の告辞といたします。
鳥尾克二外国語学部長祝辞
課程修了おめでとうございます。折角日本語を学んだわけですから、これからのみなさんの人生の中に日本語の出会いがおそらくいろいろな意味を持ってくるかと思います。是非今後も日本語とのかかわりをもち続けていただきたい。日本語を学び続けていただきたい。
また言葉を学ぶということは文化を学ぶということです。ここで申し上げたいことは、異文化交流ということについて念頭に置いていただきたいということです。人間はものを考える、また知識を持っています。何をするにして母国語で考えるものです。
人間は知性を持っていますからいろいろとものを考えます、そしていろいろな知識を持っています。その知識が築かれた先に文化がある。その大本は言葉、すなわち言語です。現代の社会では世界は1つのようなものです。グローバリゼーションという言葉がありますが、(今では)世界がどんどん狭くなっています。母国語以外に何か1つ外国語を持っていることはそれだけ世界が理解しやすいということです。そして自ら言葉を学ぶことで(いろいろな意味で)チャンスを身につけることにつながります。折角日本語を習得されたわけですから、是非日本語とのかかわりを持ち続け、その延長で日本語で日本文化を考えていただきたい。これまで日本にいて日本語でもって生活をし、その体験の中で日本語を習得してきたわけですから、まさに生きた日本文化を言葉を通して吸収されたということだと思います。このことは大変よろこばしいことだと考えています。
またもう1つ申し上げたいことは、人生についてです。
人生については、まず「人は生きる」、あるいは「人が生きる」ということが言えます。何のために生きるかと考えると、社会に出たとき、「人を生きる」ということになります。私も私の人生すなわち私の人を生きています。「人とともに生きる」という人生もあります。また「人に生きる」という側面もあります。家族、あるいは社会のために生きる。結局地球市民と生きるということです。日本人、中国人、台湾人、韓国人等人間としは変わりません。一人一人のきわめて大切な人生、その意味を考えてみてください。それぞれが社会に対して意味を持ち、人生の意味を持つことが重要なことだと思います。また折角日本語に出会ったわけですから、是非日本語とともに生きていただきたい、その上にみなさんの人生を歩み続けていただきたいと思います。本日はおめでとうございました。 |
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2006.1.26 |
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