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市民講演会のご報告
杏林大学医学部 消化器内科 教授 高橋信一
  

 バリー・マーシャル先生は、現在55歳の新進気鋭の臨床家であり、また研究者ですが、2005年のノーベル生理・医学賞を受賞されました。
 先生は1982年、共同研究者のロビン・ウォーレン氏と共にそれまで細菌は生息出来ないと言われていた胃の粘膜から世界で初めてピロリ菌を発見し、ピロリ菌と胃の病気との関係を次々に明らかにしてこられました。特にご自身でピロリ菌を飲み、急性胃炎を起こし、ピロリ菌の病原性を証明した実験は大変有名です。また世界で初めてピロリ菌の除菌療法を行い、十二指腸潰瘍の再発を激減させました。このような業績によりノーベル賞が授与されました。

 今回 日本学術振興会の外国人著明研究者招聘事業により来日され、この機会に専門家のみでなく一般市民の方々へも先生の発見したピロリ菌について講演して頂きたく、市民公開講演会を企画いたしました。
 杏林大学、日本学術振興会、日本ヘリコバクター学会の三者共催により平成18年11月17日(金)午後7時30分より、京王線調布駅前の調布市グリーンホールにて開催されましたが、開演時間が遅いにもかかわらず、ノーベル賞受賞者を一目見ようと約250名の市民の方が集まられ、熱心に聴講されました。
 本学 感染症学教授 神谷茂先生の司会のもと、まず小生が簡単にピロリ菌につき解説いたしました。つづいてマーシャル先生が、ピロリ菌の発見とその除菌がもたらす素晴らしい効果につき、判りやすくご説明になり、同時通訳で聴衆の方々も大いに感激されていました。
 中でも圧巻はDVDによるご自身のノーベル賞受賞式の紹介で、メダルを頂くシーンや、大晩餐会の様子など大変興味ある内容でした。午後9時に無事講演会が終了し、出席された市民の方々は大変満足げに帰路に就かれました。

 ノーベル賞受賞者による講演は多摩地区では初めてのことであり、またこれを杏林大学市民公開講座の一環として開催する事が出来ました。

2006.11.30
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