第17回 日本大学生訪華研修旅行報告
さる3月4日(木)から11日(木)の7泊8日間で、日華青少年交流協会と日本アジア航空共催による第17回日本大学生訪華研修が実施されました。1988年以来毎年行われております日本と台湾の学生交流を中心とした研修プログラムです。このたびは財団法人交流協会より本学に初めて推薦依頼があり、国際交流センターでは、日ごろより国際交流に強い意欲と関心を持っている外国語学部3年生の菱木ちよみさんを推薦しました。ここにこの菱木さんの研修報告を紹介したいと思います。
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私は2004年3月4日から日本大学生訪華研修団として8日間の台湾研修に参加しました。日本各地の大学から10名の学生が選出されたため、見ず知らずの人と約1週間の団体行動ということで、はじめは不安に思いました。
私は中国大陸には何度か足を運んだことはありましたが、台湾を訪れるのは初めてでした。台湾は自然が多く、色鮮やかな花々に目を奪われました。また、人がとても温かく、至る所で耳にした「謝謝(ありがとう)」という言葉に台湾人の懐の深さを感じました。
台湾に着いて1日目、まだ緊張の面持ちだった私たち訪華団を関係者の皆様と台湾学生が温かく歓迎してくれました。台湾学生のほとんどが日本に留学経験があり、日本語がとても堪能でした。日本語と中国語を交えて会話を楽しみ、いつの間にか緊張が解れ、笑顔になっていました。
2日目は亜東関係協会と救国団を訪れ台湾経済の歴史と現状、日本との関わり、そして今後の課題などとても貴重なお話を伺うことができました。また、政治大学では、「大学生が直面する問題」について意見交換会を行いました。日本も台湾も大学生が抱える悩みに変わりはないことがわかり、親しみを覚えました。
台北滞在中は故官博物院や忠烈祠、中正紀念堂を見学しました。また、ホームステイ中には、西門丁という所で買い物をしました。西門丁は日本でいう渋谷にあたる場所で多くの若者で賑わっていました。街並みもまるで渋谷のセンター街を見ているようで、台湾がいかに発展しているかこの目で確認できました。また、ファッションの流行も日本と同じでかなり興味深かったです。
5日目からは台北を離れ、阿里山へ行きました。南部旅行には11名の台湾学生が同行してくれました。阿里山は今回の研修で一番印象に残った場所です。私たちが宿泊した阿里山青年活動中心は海抜2000メートルに位置し、とても寒く空気の澄んでいる場所でした。夜、散歩に出ると月が燦々と輝き私たちを照らしてくれました。普段、電気のある暮らしに慣れている私は月の明るさを改めて実感しました。そして、次の朝、祝山から日の出を見に行きました。夜明け前の寒さに凍えながら日の出を待ちました。台湾最高峰である玉山から一筋の光が射しました。雲海は薄いピンク色に変わり、まさに夢の世界のようでした。私はこの玉山から日の出を目の前に生きる力が漲り、また、その美しい光景に感動しました。
私たちは阿里山から観光しながら更に南下し高雄から帰国しました。台湾に着いてから、ずっと私たちの世話をしてくれた台湾学生との別れは本当に心惜しく、また感謝の気持ちで溢れていました。そして、今回の研修で知り合った訪華団のメンバーともすっかり打ち解け、結束がかなり強まりました。この台湾研修では、国や今まで育った環境の違いを越え、日台友好の強い絆が生まれました。帰国後も台湾でお世話になった台湾学生とメールやチャットをし、頻繁に連絡を取り合っています。ここで築いた人間関係は私の一生の宝物です。台湾で過ごした日々は忘れがたい青春の1ページとして私の記憶に刻まれることでしょう。
また、今年の7月には、逆に私たちが台湾学生を接待する番です。私たちが歓迎を受けたように、いや、それ以上に温かいおもてなしをして、彼らの一生の思い出に残る研修にしてほしいです。そして、日台の友好関係を更に深め、日台の掛け橋として交流を続けていきたいと思います。
最後に、このような素晴らしい機会を与えてくださった皆様に心から御礼を申し上げたいと思います。