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杏林大学について

財務情報

平成18年度 事業報告書

  1. 法人の概要
    1. (1) 学校法人の沿革

      三鷹キャンパスの地に、昭和41年に臨床検査技師を養成する杏林学園短期大学を設立したのに始まる。昭和45年に医療における人間性の回復を唱えて、良き臨床医育成を理念とする杏林大学医学部を創設、同時に医学部付属病院を開院した。その後、昭和54年、八王子キャンパスに保健学部を設立し、さらに同キャンパスに昭和59年社会科学部を、昭和63年外国語学部を開設するまでに発展した。その間、医学研究科、保健学研究科、国際協力研究科を相次いで併設し、平成17年に学園発足からちょうど40周年を迎えた。

      昭和41年1月 学校法人杏林学園寄附行為設置認可、杏林学園短期大学設置認可
      昭和41年4月 杏林学園短期大学開設
      昭和45年4月 杏林大学医学部開設
      昭和45年8月 杏林大学医学部付属病院開院
      昭和47年4月 杏林大学付属高等看護学校開設
      昭和51年4月 杏林大学大学院医学研究科博士課程開設
      昭和52年9月 杏林大学付属看護専門学校に名称変更
      昭和54年4月 杏林大学保健学部開設
      昭和54年6月 杏林大学医学部付属看護専門学校に名称変更
      昭和54年10月 杏林大学医学部付属病院救命救急センター開設
      昭和57年2月 杏林短期大学廃止認可
      昭和59年4月 杏林大学社会科学部開設
      杏林大学大学院保健学研究科修士課程開設
      昭和61年4月 杏林大学大学院保健学研究科博士課程(後期)開設
      昭和63年4月 杏林大学外国語学部開設、杏林大学別科日本語研修課程開設
      平成5年4月 杏林大学大学院国際協力研究科修士課程開設
      平成6年4月 杏林大学保健学部看護学科開設
      平成7年4月 杏林大学大学院国際協力研究科修士課程(後期)開設
      平成13年4月 杏林大学外国語学部外国語学科設置
      平成14年4月 杏林大学総合政策学部総合政策学科名称変更
      杏林大学国際交流センターを設置
      平成16年4月 杏林大学大学院国際協力研究科国際医療協力専攻を設置
      平成17年4月 杏林大学外国語学部中国語学科廃止
      平成18年4月 杏林大学外国語学部英米語学科・日本語学科廃止
      杏林大学保健学部臨床工学科、杏林大学総合政策学部企業経営学科、杏林大学外国語学部英語学科・東アジア言語学科・応用コミュニケーション学科開設
    2. (2) 設置する学校・学部・学科等
      学  校  名 研 究 科 課   程
      杏林大学大学院  医学研究科  博士
       保健学研究科  修士(前期)、博士(後期)
       国際協力研究科  修士(前期)、博士(後期)
      学  校  名 学   部 学   科
      杏 林 大 学  医学部  医学科
       保健学部  臨床検査技術学科、保健学科、
      看護学科、※2臨床工学科
       総合政策学部
      ※1 社会科学部
       総合政策学科、※2企業経営学科
      社会科学科
       外国語学部  ※2英語学科、東アジア言語学科、応用コミュニケーション学科
       別科日本語研修課程
      ※1.平成14年度より名称変更(社会科⇒総合政策) 
      ※2.平成18年度学科改組(臨床工、企業経営、外国語⇒英語・東アジア言語・応用コミュニケーション)
      学  校  名 課   程
      杏林大学医学部付属看護専門学校  看護専門課程
    3. (3) 当該学校・学部・学科等の入学定員、学生数の状況

      平成18年5月1日現在

      学 校 名 研 究 科 課   程 入学定員 学生数(内留学生)
      [1]杏林大学大学院  医学研究科  博士課程 34 72(6)
       保健学研究科  修士課程 7 11(0)
       博士課程 4 3(0)
       国際協力研究科  修士課程 80 104(62)
       博士課程 12 27(9)
      学 校 名 研 究 科 課   程 入学定員 学生数(内留学生)
      [2]杏林大学  医学部  医学科 90 563(0)
       保健学部   臨床検査技術学科 65 327(0)
       保健学科 55 312(0)
       看護学科 80 344(0)
       臨床工学科 40 52(0)
       総合政策学部  総合政策学科 180 1,449(101)
       企業経営学科 120 101(5)
       社会科学部  社会科学科 18(1)
       外国語学部  外国語学科 1,174(230)
       英語学科 110 107(0)
       東アジア言語学科 70 55(2)
       応用コミュニケーション学科 110 102(7)
       別科日本語研修課程 80 26(24)
      学  校  名 課  程 入学定員 学生数(内留学生)
      [3]杏林大学医学部付属看護専門学校  看護専門課程 100 305(0)
      入学定員・学生数合計【[1]+[2]+[3]】 1,237 5,152(454)
      (注)1.
      保健学部保健学科、臨床検査技術学科、看護学科では2年次及び3年次に編入学定員を設定
      (保健学科及び臨床検査技術学科はそれぞれ2年次10名、3年次5名、看護学科は2年次10名、3年次10名)
      (注)2.
      総合政策学部及び外国語学部はそれぞれ3年次に編入学定員を設定
      (総合政策学科30名、企業経営学科20名、英語学科10名、東アジア言語学科25名、応用コミュニケーション学科10名)
    4. (4) 役員・教職員の概要
      1. [1] 役  員

        平成19年3月31日現在

        役   職 氏   名 現       職
        理 事 長  松 田  博 青  学園長
        理  事  長 澤  俊 彦  大学長
        理  事  跡 見    裕  大学医学部長
        理  事  大 瀧  純 一  大学保健学部長
        理  事  笈 川  博 一  大学社会科学部・総合政策学部長
        理  事  鳥 尾  克 二  大学外国語学部長
        理  事  東 原  英 二  大学教授(病院長)
        理  事  丘 島  晴 雄  大学教授(保健学部教務部長)
        理  事  馬 田  啓 一  大学教授(社会科学部・総合政策学部教務部長)
        理  事  赤 井  孝 雄  大学教授(外国語学部教務部長)
        理  事  井 戸   和 男  天理大学教授・(財)学生サポートセンター常務理事
        理  事  小 塩    節  フェリス女学院理事長・中央大学名誉教授
        理  事  鈴 木  武 夫  鶴岡学園理事長・北海道文教大学学長
        理  事  辻 岡    昭  慶應義塾大学名誉教授
        理  事  松 田  剛 明  大学講師(医学部)

        平成19年3月31日現在

        役   職 氏   名 現       職
        監  事  松 本    薫  元会計検査院
        監  事  戸 田  修 三  元日本私立学校振興・共済事業団理事長
      2. [2] 教 職 員
                  ※ 教 員 総 数 本務教員  579名  兼務教員 485名
                  ※ 職 員 総 数 本務職員 1,749名  兼務職員  93名

        区  分 法人
        本部
        杏 林 大 学 医 学 部
        付属病院
        看護専門学校
        医学部 保健学部 総合政策学部 外国語学部
        教 員 本務 - 375 113 36 38 - 17
        兼務 - 302 34 42 92 - 15
        職 員 本務 67 68 60 1,550 4
        兼務 9 5 9 70 0
        合計人数 76 750 424 1,620 36
        (注)1. 法人本部の本務職員には外部への出向者31名、兼務職員には外部への出向者1名を含む。
        (注)2. 医学部の兼務教員には非常勤臨床助手87名、兼務職員には外部からの出向受入者1名を含む。
        (注)3. 八王子キャンパス(保健・総合・外国語)の職員は合同事務体制のため合算とした。
        (注)4. 総合政策学部の兼務教員には大学院国際協力研究科の9名(客員教授、非常勤講師)を含む。
  2. 事業の概要
    • 1)平成18年度の事業の概要
      事業方針 三鷹・八王子両キャンパスの教育・研究の充実及び環境の整備を重点事業とし各部門の諸計画については、高等教育を取り巻く環境の激変に対応すべき大学改革を視野に入れた基盤強化を図る事業を最優先とした。
      • IT環境の整備
      • 学生のキャンパス生活の支援(奨学金制度の充実)
      • 各部門の充実・強化(各学部・大学院教育など)
      • 教育・研究・診療環境整備の継続
    • 2)平成18年度の主な事業の目的・計画
      • (1)IT環境の整備
        平成17年度は、八王子キャンパスを中心に新履修登録システム、教務・学生関係システムの構築、教室のIT化など本格的にIT化の第一歩を踏み出した。平成18年度も引き続き八王子キャンパスを中心にIT環境の充実を図る計画である。
      • 【1】事務部門IT化の更なる推進・改善
        平成18年度入学制を対象とした履修登録等に関する新システムの利用結果を踏まえて、2年生〜4年生の教務・学生関係情報を新システムに移行する。それと平行して入試・就職の新システムを構築し、平成19年度から入試時まで一貫した学生データの管理を可能とする。
      • 【2】ITリテラシー教育及び授業のIT利用促進
        IT教育をすでに平成18年度カリキュラムに組み込んでおり、平成18年度以降入学する学生全員が、一年間で大学生としての学習研究や就職活動に最低必要なITリテラシーをマスターできるようにする。また、授業のIT利用では、携帯電話利用のCRVシステム(独自システム)を導入し、授業中に実施するリアル・タイムでのアンケート、学習効果を見る小テスト、簡便な出席管理などを行えるようにする。
      • 【3】その他既存システムの更新及び検討課題
        老朽化した図書館システムの更新を行い、利用者の便に供する。検討する課題はとしては、二つのキャンパスを結んでの遠隔授業、授業のデジタル化、ホームページの充実、事務部門のペーパーレス化、教員へのIT教育について見検討する。
      • (2)八王子キャンパスのアメニティの向上
        八王子キャンパスの魅力と機能性を高めるため、平成18年度1月に策定・運営する「アメニティ検討委員会」及び具体的施策編成として9つの「部会」を発足させた。
      • 【1】図書館問題 【2】国際交流会館建設 【3】食堂・売店改善 【4】学内アルバイト・インターンシップ 【5】遊歩道建設 【6】同窓会整備 【7】通学バス改善 【8】調整池周辺グリーンゾーン整備
        【9】学生ネットワーク アメニティ検討委員会では、各部会提出された短期・長期プランについて、各プラン・ニーズの妥当性と優先順位などを協議した。平成18年度段階的に実現に向けて進めていく。平成18年度は短期プランの中から、図書館の改装(レイアウト変更など)、食堂・売店・トイレなどの改善、遊歩道の整備(第一期)を実行し、キャンパス内設備の整備(ゲストハウス・調整池周辺グリーンゾーンなど)のための調査を行うとともに、その他のプランについても実施に向けて検討を継続して進める。
      • (3)主な施設設備の整備
      • 【1】新外科病棟建設…平成17年7月着工(継続)
      • 【2】既設病棟の施設設備の改修・整備計画
        ・第二病棟…非常用発電機増設
        ・救命救急センター…無停電装置更新及び非常用発電機整備
      • 【3】校舎改修・整備計画
        ・三鷹キャンパス…基礎医学研究棟の各階電灯動力分電盤更新
        ・八王子キャンパス…G棟空調機新設及び各棟省エネ対策工事
      • (4)各部門の充実・強化
        【1】医学部の教育改革の取り組み
         卒前教育については、平成17年度に授業内容・方法の改善のための組織的な取組(FD)の一環として、学生による教員の授業評価を実施したが、今年度も引き続き実施し、「The best teacher of the year」の顕彰を行う。客観的臨床能力試験(OSCE)が導入され、その後の評価者研修及びチュートリアル教育導入のためのチューター養成研修を引き続き実施し、より一層の教育の充実を図る。カリキュラムについては、第3学年次の授業を従来の系統講義から統合カリキュラムに変更し、チュートリアル教育を組み入れる。更に、英語教育の充実を図るため、第3学年次に選択科目であった医学英語を必修科目とする。 IT関連の環境整備充実の一環として、学生教育の充実と学生サービスを目的とした、パソコンルームの設置を行う。
        【2】 保健学部の教育改革の取り組み
         * 救急救命士養成の確固たる基盤を作るため、救急救命士課程を基に救急救命学科の新設を検討する。
         * 臨床検査技術学科と保健学科の教育研究分野を明確に区分するため、保健学科は健康・福祉・教育・心理を主たる教育研究分野とし、学科名称も「健康福祉学科」に変更することを検討する。
         * 提携大学及び本学医学部との共同研究を積極的に推進する。
         * インターンシップ制度とボランティア活動の拡充と基盤整備を推進する。
         * 入学生の多様化に伴い補習教育の導入を検討する。
         * 社会の要請に応えられる人材の養成を目指し、各学科ともカリキュラム改定に向けて基盤整備を行う。
        【3】 社会科学部・総合政策学部の教育改革の取り組み
         * 一年次教育への留意 新入生がモチベーションを保てるように、従来のプレゼミを拡充し、ITリテラシーのほか、SPI(能力適性検査)をにらんだ日本語の読み書き、計算力などを含む基礎教育を徹底する。種々の理由から高校では扱われない近現代史を系統的に教え、現代社会を見る目を養う。
         * 公務員試験準備、資格試験科目の充実 当面は警察官、消防官、自衛官などが中心となろうが、将来的には国家U種、地方上級をも視野に入れて、カリキュラムの充実を図る。また、税理士など資格試験への準備を目指す。
         * オムニバス授業(総合政策論)の題を「アジアと日本」とする。 単に一回的“講演”とせず、学部の総力を挙げて様々な角度から立体的、複眼的にこの問題を理解できるように計る。
         * Person to personを実現すべく、カリキュラムの改善を図る。
         * 平成19年度に向けて、就職拒否群対策としてゼミに入らない学生に対する演習科目を設ける。
        【4】 外国語学部の教育改革の取り組み
         * 平成17年度より学部広報活動の一環として開始した学部教員による高校訪問や出張講義を拡充する。これは、高校段階での教育状況を的確に把握することで、本学部入学者への望ましい教育のあり方を探る「高大連携」(文部科学省)に資するものであり、併せて、本学部受験者の確保にもつながるものである。
         * 学生の留学やインターンシップ研修、地域貢献制度を拡充させると共に、学部教員の研究教育業績の社会的発信を促進することで、学部と社会の連携を強化する。
         * 3学科6コース制への移行にあわせ、具体的に設定された各コースの教育目標の管理を徹底し、授業科目の教育内容と体系性(シラバスとカリキュラム)の整備を進める。そのため必要に応じて、各教員の教育技術向上をめざした研究会などを実施し、学部全体のFD推進に努める。
         * 実践的な運用能力習得のための特別語学プログラムPEP(英語)、CIC(中国語)の本格的導入により、一年次終了までに、英語は“TOEFL137点”若しくは“TOEIC460点”、中国語は“中国語検定4級”、二年次終了までに、英語は“TOEFL150点”もしくは“TOEIC500点”、中国語は“中国語検定3級”の目標の全員達成を目指す。
         * IT環境整備をうけて、授業のIT化をさらに推進するとともに海外の教育機関とのDistant Learning(オンライン授業)を導入する。
        【5】 大学院(3研究科)の取り組み
         * 医学研究科は、私立医科大学協会のHP上に加盟私立医科大学大学院の公開教育プログラムを紹介して、他医科大学での教育・指導を受けられるシステムに参画する。これによって、他大学との相互乗り入れを行い、より幅の広い、かつ専門的な教育を実践する。
         * 保健学研究科は、博士前期課程については高度専門職業人の養成を主眼に、遺伝カウンセラー、教職課程の専修免許取得についてコースワーク設定を目的とした体系的なプログラムの作成を検討する。また、学部卒業生等を対象にした再教育システム構築についても検討する。
         * 国際協力研究科は、社会人を対象にした一年生修士課程制度の充実、休講科目の整理統合、各専攻同士の相互単位の取得問題、授業開講場所の再考など、研究科として将来像を考える時期に来ている。本年度は世界に羽ばたくことのできる人間の育成を主眼とし、教員の指導能力の向上、資格(博士号)取得などについても検討をする。
        【6】 入学センターの取り組み
         本年度の学生募集広報活動は、従来から実施している印刷物の更なる充実、受験生へのアプローチ、高校教員・予備校に対するPR、大学情報・入試情報の発信を柱に広報活動を行い、受験生確保を図る。また、入学試験の実施については、受験生の便宜を図り、安全かつ効率的な入学試験を実施する。
        特に次の事項については、新たに強化する。
         *インターネットを介した情報提供・広報活動
         *本学独自の大学説明会の実施
         * DVDの作製
         *入学試験の実施については、併願校を踏まえた日程の設定、複数の試験会場での実施、試験回数を検討し、受験し易い条件を整える。
         * 事業計画を実行するに当たっては、委員会等で多角的に検討し、最大の効果が得られるようにする。
        【7】 キャリアサポートセンターの取り組み
         * 今後5年間の就職フォーカストを作成し、教職員が共通の認識で学生指導を行い、次の3つを柱とした内容とする。
         (1)企業業界動向と職種の変化
         (2)雇用形態の変化
         (3)必要とされる学生の付加価値とは?
         * インターンシップにおける積極的な学生派遣を行い、就職意欲を高める。
         * 学生個々の質問・意見に応えるため、ランチタイムサテライトインフォメーションの一層の充実を図る。
         * 学部のプレゼミナール・ゼミナールとのタイアップで、就職講義を実施し、学生の就職意識の高揚を促進する。
         * 本学独自の企業ランキングを作成し、企業との関係強化を図ることで、就職支援を行う。
         * 平成17年度に学生個人の「キャリア開発シート」を導入し実施したが、本年度は更に低学年を含め、個人目標の設定、計画的な自己啓発推進、その計画に沿って面談指導、サポートを実施し拡大していく。
        【8】 国際交流センターの取り組み
         * コースやカリキュラムの再編などが実施される年度にあたり、各学部・研究科における国際交流の取り組みの再確認を行う。
         * 海外協定校との交流を深める。学生の交流だけでなく、研究者の招聘や共同研究などを容易にするための条件を整える。
         * 外国人留学生の福利厚生面については、アパートの斡旋、トラブルの相談、医療相談、医療施設の紹介、医療費の補助制度の申請、交通事故や生活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、留学生との少人数での座談会などを随時開催して日常的な交流を確保する。
         * 学生の留学相談には、随時、情報の提供などで対応し、海外留学する学生については、留学前後を含めて教学面でのサポートをより充実させる。
         * 危機管理体制の強化に努める。緊急時の事故対策本部の設置に関する訓練を実施する。
        【9】 八王子保健センターの取り組み
        以下の施策により学生・教職員の健康の向上を図る。
         * 健康週間イベントと禁煙キャンペーン、禁煙指導の充実により、学生・教職員の健康に対する意識を高める。イベント企画では、最初から学生が主体的に参加するようにする。
         * 新型インフルエンザ、結核など新旧の感染症に対する予防と知識の普及を図る。また、万一の患者の発生に備えた危機管理体制を強固にする。
         * 学内施設における自動体外式除細動器(AED)設置に伴い、教職員・学生に使用法並びに基本的な救急処置の普及を図る。
         * 開設2年目となる「学生相談室」を更に多くの学生に周知し、受入れ態勢を整える。
        【10】 総合情報センターの取り組み
         平成17年7月に (1)情報システム推進室 (2)情報教育推進室 (3)中央コンピューター室の3部門を統括し、学園(付属病院を除く。)における情報化を総合的に推進して教育研究、学生サービスの向上及び事務の効率化を図る目的で発足した。前年度は八王子キャンパスを中心に本格的にIT化の第一歩を踏みだした。本年度も引き続き“IT環境の充実”を図る。その事業構想は、平成18年度事業計画の「重点事業」として記載。
        【11】 医学部付属病院の取り組み
         前年度に引き続き、新外科病棟建設(平成19年5月竣工予定)及び第3病棟、第2病棟の運用に伴う改修、また、外来部門には“物忘れセンター”を設置する計画である。機能面の充実を図り、大学病院として高度な中核的医療センターの役割を果たすべき、良質な医療を高い次元で提供する事を目指す。また、本年度改善すべき点として、1・2次救急外来の診療体制である。今までに多数の診療を“断わらなければならない”など多くの問題について、約2年前から現行の診療体制について分析し、検討を重ねてきたが、平成17年度に抜本的改革案が纏まったことで、本年度はこの“改革案”に沿って新しい1・2次救急外来診療体制を発足する。
         具体的には、
         * 開院以来連綿と継続されてきた内科の当直制である、本直制を廃止。
         * 内科の各臓器別グループはバックアップ用の当直体制を用意する。
         * 1・2次救急外来に専任の救急医をリーダーとした、内科系医師・外科系医師からなるAdvanced Triage Team(ATT)を設置する。
         * ATTは、1・2次救急外来患者の受け入れ窓口として診療にあたり、必要に応じて専門各科へ患者を振り分ける。
         * ATTの活動を通じて1・2次救急外来患者の受け入れを円滑に実施する上で、以下の必要な施設については実現に向けて検討中。
        ・High Care Unit(HCU)
         救急患者、術後患者のOver night程度の受け入れを目的に活用する。
        ・Stroke Care Unit(SCU)
         脳卒中患者の増加と最新治療の導入に関連して必要な施設として運用する。
        【12】 医学部付属看護専門学校の取り組み
         * 実習に必要な教育機器の整備を中心に教育の充実を図る。
         *本年度に自己点検(平成17年度学則変更、準備委員会発足)を充実させるため、自己点検・自己評価委員会を発足する。
         *文部科学省からの指導もあり、本年度は入学定員、学納金、修学貸与金制度、入試制度などの見直しについて検討を行う。
        【13】 管理部門(法人本部)の取り組み
        事務部門の強化
         平成18年2月の理事会で杏林学園中長期改革委員会より提出された「杏林大学中長期改革に関する提言」が承認されたことに基づき、事務部門の強化を次のとおり推進する。
         * 目標管理と人事評価制度の導入
         平成16年度から学園の課題を効率的に推進していくために、事務系・技術系・技能系の職員を対象に職員研修を体系的に実施してきた。本年度は、さらに職員自らが積極的に自己の能力を伸ばし、より高い業務目標にチャレンジする意欲が持てる制度を目指して、評価の結果を月次給与・賞与・昇任・配置に反映させる目標管理と人事評価制度の導入を、事務職・技術職・技能職の管理職から実施する。また、来期以降一般職への導入のための制度整備及び他職種の評価制度についても検討を行う。 * 学科改組に伴う寄附行為の変更
         ・八王子3学部改組に伴う寄附行為の変更
         ・外国語学部「日本語学科」・「英米語学科」の廃止に伴う寄附行為の変更

        財務の概要

         平成18年度の財務状況について、その概要は前年度と比較した内容とし、資金収支計算書、消費収支計算書及び貸借対照表は、平成14年度〜平成18年度の経年比較を記載した。

        平成18年度の資金収支計算書・消費収支計算書・貸借対照表の分析

        (1) 資金収支の状況(表1)
         学納金収入は、平成16年度に医学部、平成17年度に保健学部・総合政策学部・外国語学部の一部学費改定を行なったことで、大学全体の入学者数は前年度より下回ってはいるが、8, 035百万円となり前年度比0.9%(71百万円増)の増加となった。寄付金収入は、新外科病棟建設募金及び杏林大学教育研究募金の募集が低迷したことで、全体では前年度比△14.2%(77百万減)の減少となった。補助金収入は、私立大学等経常費補助金の交付条件の圧縮率が大変厳しい下げ幅であったが、今年度は配点係数が上がったことで文部科学省に申請した9件のうち3件が不採択となったが、全体では前年度比3.9%(80百万円増)の増加となった。医療収入は、病院経営改善項目として『経営改善プロジェクト20』を立ち上げ収入の増加、経費削減に精力的に取り組んできた結果、前年度比で8.1%(1,832百万円増)の増加となった。結果、資金収入合計(調整勘定を除く)では前年度比1.6%(672百万円増)の増加となった。 資金支出は、人件費が看護師の補充・増員などで前年度比3.1%(492百万円増)の増加となった。施設関係支出は、新外科病棟建設費等で前年度比29.5%(597百万円増)の増加となった。設備関係支出は、前年度に中央病棟開設に伴う設備の購入があったことから、前年度比△63.2%(2,150百万円減)の減少となった。結果、資金支出合計(調整勘定を除く)は前年度比△8.6%(3,977百万円)の減少となった。 しかし、繰越資金は調整勘定を含めると前年度比1,851百万円減少する結果となった。

        (2) 消費収支の状況(表2)
         帰属収入は、手数料以外は全て前年度より増加となり、前年度比6%(2,089百万円増)の増加となった。基本金組入額は、中央病棟増築工事費等で2,379百万円となり、前年度比6.1%(138百万円増)の増加となった。結果、消費収入合計は前年度比6%(1,951百万円増)の増加となった。 消費支出は、人件費が前年度比3.5%(559百万増)の増加となったが、一般経費の削減などにより前年度比△0.9%(336百万円減)の減少となった。 以上により、帰属収支差額で△631百万円の結果となったが、前年度比は△79.4%(2,425百万円減)の減少となった。また、当年度消費収支差額は3,010百万円の消費支出超過となったが、前年度比では△43.2%(2,287百万円増)の減少となった。

        (3) 貸借対照表の状況(表3)
         資産の部は、固定資産が前年度比△0.6%(407百万円減)の減少、流動資産は固定資 産取得に伴う現金・預金の減少により△8.1%(1,418万円減)の減少となった。                                                         負債の部は、借入金の返済などで負債の部合計は前年度比△3.8%(1,194百万円減) の減少となった。

        資金収支計算書・消費収支計算書・貸借対照表

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